静かに如月一日が暮れた。
2006年2月1日 日常二月一日。僕の予想通り静かに一日が暮れた。朝からちょっくら町まで出かけた。大きな仕事ではない。外注していた仕事が終わったとの報告を受け、飯の種となる商品の回収と、新たな仕事の依頼があり、その書類の入手に出向いた次第である。
帰りにいつも立ち寄るコンビ二のドアをくぐった。好物のヘルシアを一箱、購入。24本入りだ。店員さんも僕の顔を見るなり、「例のやつですね」と言って、奥の事務室兼倉庫みたいなところへ駆けていく。「これが常連の強みと言うやつか?」と、僕はほくそえんだ。時々、「くじ」を引いてくださいと言って、箱を差し出す。手を突っ込み、かき混ぜて一枚引き出すと、店員さんが慣れた手つきでこすり、「あたりましたよ」と言って当選を告げる。「なにかしら?」と思い、期待に胸を膨らますが、な、な、なんと、おにぎりの10円割引券だ。うれしさのあまり、涙がちょちょ切れた。すでに数枚たまっているが、車の物入れに押し込み、以来、日の目を見ることはない。
まあ、それでいいわけだ。10円を笑うものは10円に泣くという経験をいやと言うほどつんで来た。備えあれば憂いなしで、腹ペコの時、その割引券が役に立たないとも限らない。と、同時にコンビ二は安い品ばかり。そんな中で、少しでも割引をしようという配慮は、客として悪い気はしない。
思えば、僕もビジネスで、同じようなことを結構やっているのかもしれない。「だいたい10万円の仕事ですけど、いいですよ、8万円にしときます」と言うと、クライアントも、「よし、乗った」とくる。まあ、そこまではいいが、クライアントもさる者、引っかくものだ。「もうちょい」と、第二次値引き交渉が始まる。「仕方がない」と言うことで、僕もそれを受けてしまう。よく考えてみると、ビジネスはやはり駆け引きなんだろう。どこかで妥協点が見出せれば交渉成立だ。僕の商売は脳細胞を若干いじめるだけで、商品在庫を販売するわけではない。むしろ、脳細胞に刺激を与えてくれたことを、クライアントに感謝すべきなのかもしれない。そう思うようにしている。
いつも、こんな能天気な商売ばかりやっているので、山の神から、ちくちくと責め立てられる。「あんた、必要経費も回収できない仕事ならやめたがいいわよ。本業一本に絞って精出してよ」とくる。それじゃああ、僕の人生は面白くない。「もちょっと、まっちーーー」と言って、何とか言い逃れをしている始末である。
以前はパートさんの給料も払えなくて、山ノ神を拝み倒して、なんとか始末をつけていた。いつもそんなばかりでは、僕としても面子が立たない。てなわけで、最近は山の神からの借金はほとんどしなくなった。つぎはぎしながら、なんとかやっている今日この頃。泣けるぜーーー。
も少しがんばって、へそくりでもと考えるが、へそで茶を沸かすのが関の山のようだ。申告も近まった。「働けど働けど楽にならざりき。じっと手を見る」という啄木の句を思い出した。
帰りにいつも立ち寄るコンビ二のドアをくぐった。好物のヘルシアを一箱、購入。24本入りだ。店員さんも僕の顔を見るなり、「例のやつですね」と言って、奥の事務室兼倉庫みたいなところへ駆けていく。「これが常連の強みと言うやつか?」と、僕はほくそえんだ。時々、「くじ」を引いてくださいと言って、箱を差し出す。手を突っ込み、かき混ぜて一枚引き出すと、店員さんが慣れた手つきでこすり、「あたりましたよ」と言って当選を告げる。「なにかしら?」と思い、期待に胸を膨らますが、な、な、なんと、おにぎりの10円割引券だ。うれしさのあまり、涙がちょちょ切れた。すでに数枚たまっているが、車の物入れに押し込み、以来、日の目を見ることはない。
まあ、それでいいわけだ。10円を笑うものは10円に泣くという経験をいやと言うほどつんで来た。備えあれば憂いなしで、腹ペコの時、その割引券が役に立たないとも限らない。と、同時にコンビ二は安い品ばかり。そんな中で、少しでも割引をしようという配慮は、客として悪い気はしない。
思えば、僕もビジネスで、同じようなことを結構やっているのかもしれない。「だいたい10万円の仕事ですけど、いいですよ、8万円にしときます」と言うと、クライアントも、「よし、乗った」とくる。まあ、そこまではいいが、クライアントもさる者、引っかくものだ。「もうちょい」と、第二次値引き交渉が始まる。「仕方がない」と言うことで、僕もそれを受けてしまう。よく考えてみると、ビジネスはやはり駆け引きなんだろう。どこかで妥協点が見出せれば交渉成立だ。僕の商売は脳細胞を若干いじめるだけで、商品在庫を販売するわけではない。むしろ、脳細胞に刺激を与えてくれたことを、クライアントに感謝すべきなのかもしれない。そう思うようにしている。
いつも、こんな能天気な商売ばかりやっているので、山の神から、ちくちくと責め立てられる。「あんた、必要経費も回収できない仕事ならやめたがいいわよ。本業一本に絞って精出してよ」とくる。それじゃああ、僕の人生は面白くない。「もちょっと、まっちーーー」と言って、何とか言い逃れをしている始末である。
以前はパートさんの給料も払えなくて、山ノ神を拝み倒して、なんとか始末をつけていた。いつもそんなばかりでは、僕としても面子が立たない。てなわけで、最近は山の神からの借金はほとんどしなくなった。つぎはぎしながら、なんとかやっている今日この頃。泣けるぜーーー。
も少しがんばって、へそくりでもと考えるが、へそで茶を沸かすのが関の山のようだ。申告も近まった。「働けど働けど楽にならざりき。じっと手を見る」という啄木の句を思い出した。
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