よく考えてみると、土曜日から今日まで三連休だった。ついぞ、今日の休みのことを忘れていた。「海の日」かあーーー。さぞかし海水浴場はにぎわったことだろう。昔は海の子だった僕も、今では、すっかり、お部屋のトッチャン坊やとなってしまった。いずれにしても、休みが一日増えたことは歓迎だ。

ところで、昨日は日曜日。どういう風の吹き回しか、「のりちゃん先生」から夕方テルあり。とっくに愛妻の待つ都会の片隅へ帰省中かとおもっていたが、さにあらず。まだ例の、ふらふら病が完治していないらしく、当地にとどまっていた。新幹線とかに乗り、トンネルとかをくぐると、だめなんだそうだ。僕には経験がないからとんと分からない。

そう言えば、「トンネル」は僕も嫌いである。いつぞや、トンネルが崩壊して、多数の犠牲者がでた事故があった。その記憶が未だに僕の脳裏を支配していて、トンネルを車でくぐるときなんか、いつも不安である。「通過中にトンネルの屋根が崩れませんように」と、いつもは拝まない神様に神頼みしている。僕も現金な男だぜ。僕が恐れているものに三つあった。地震、雷、蛇である。新たな恐怖として四番目にこのトンネルを加えることにしよう。

てなわけで、昨夜はのりちゃんと一献傾けることになったが、なにせ日曜日。田舎の歓楽街はどこも閉まっている。「焼鳥屋」へでも行くかと、馴染みの店の暖簾をくぐったが満杯。仕方がない。ちょっくら歩いて、開いているところを探すことにした。

折良く、「○○バー」と看板が掲げられているモダンな店があった。ショットバーみたいな感じの店である。一度だけ行ったことがある店だった。店内はすいていた。足が届かないほど脚が長い椅子とテーブルがあった。僕と、のりちゃんはそこに陣取り、さっそく生ビールとつまみをオーダーした。銀製のメガホンをひっくり返したみたいな器でビールが運ばれた。日頃はガラス製のジョッキで飲むことが多いが、この銀製の器もなかなかしゃれていて、味も上々。僕は二杯たいらげ、のりちゃんは二杯目から芋焼酎の水割りへ。のりちゃんの食べること、食べること。腹を空かしていたわけだ。僕も遅ればせながら追随した。

かくして、よもや話に花を咲かせた。のりちゃんがぽつりと言った。「僕はこんな店が好きなんだよ」と。人から干渉されることもなく、程よい光線が落ち着いた雰囲気を醸し出している。大人の店である。男と女が出会う場、あるいは別れを演出する場。わいわい騒ぎ立てる小料理屋や、スナックの雰囲気とは違う。色んな表情を演出できる。たまには良いなあと思うが、本来、騒ぎが好きな僕にとっては、メインストアーにはならないようだ。そのことを察しているのかどうか知らないが、「今日は僕が全部払う」と言って、のりちゃんが、僕の財布を制した。「ええーっ、そう」と答えて、彼に甘えることにした。

代行車で、彼の居所経由、我が家へ早い時間の帰宅とあいなった。帰り際、彼に紙袋を渡した。山の神からの差し入れの果物である。「のりちゃんも寂しい思いをしているのでは?」と気を使っての山の神の配慮なんだろう。のりちゃんは、嬉しそうに目を細めて、そそくさと去っていった。

ほんの数時間の出来事だった。日頃の午前様と違い、こういう飲み方も良い。朝の目覚めが快調だからだ。そのことが幸いして、今日は朝から、懸案事項だった雑草刈りに専念できた。刻一刻と動き回る黒雲に僕の心は一喜一憂。なんとなれば、何時、落雷の憂き目を味わうかもしれないからだ。中断に中断を重ね、僕をあざ笑うがごとく成長した雑草を一網打尽にした。やれやれだ。体は結構疲れたが、心は充実感で一杯。明日からも、この心を継続したいものだ。

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