昨夜はちょっとびっくりしたことがある。僕はすでに夕食を済ませ、今宵をいかに過ごさんと模索していたところ、「のりちゃん先生」より、誘いのテルが・・・・。グッドタイミングといえばタイミングだ。承諾すれば連チャンとなる。少々疲れていたが、心の中は決まっていた。「チラッ」と山の神を見れば、眉が斜め35度に上昇している。「またなの?」と言わんばかりだ。僕は申し訳なさそうにつぶやいた。「単身赴任中だから、きっと、今日も彼は淋しいんだよ。ちょっくら行ってくるから。2時間ばかりで帰るから大丈夫」。そう言い残して、僕はそそくさと出かけた。

場所はいつもの小料理屋。和服姿のママさんが、「あら」と、今度は眉をぴくぴくさせながらほほえんだ。「今日の僕は色んな眉に縁があるぜ」と、思わず一人笑い。のりちゃんは、チャリンコで来るとのことでまだだった。かれこれしかじかと僕は説明し、生のビールを飲みながら待つことにした。

ふと横を見ると、過去、この店で見かけたことのある中年の男性が一人で飲んでいた。手持ちぶさただった僕は彼に「ここでお会いたことがありますね?」と尋ねると、彼の弁に僕はびっくり。僕をあちこちで見かけているそうだ。僕は一度も気がついたことがない。

「ええつ?何で?また?どうして?」と僕の顔が一瞬曇った。「悪いところを見られちゃったかなーーーー」と、思ったが、まさか品行方正な僕のこと。曇り顔を即、打ち消して、よくよく話を聞いてみると、昼間、かくかく喫茶店にいるところを何度か見かけたという。また、歩いているところも数回見られたらしい。

「僕ってどうして分かったの?」と聞くと、僕の声に特徴があるそうだ。それもそうだろう。下手ながらも朗々とカラオケでおらんできた僕の声。まさか聞き忘れることもあるまい。また、歩いている姿にも特徴がある。黒でつばの長いハットをかぶり、手にはオークションで購入した大きめの書類バッグ。黒いスーツにブカブカの靴。がに股で、トッチャン坊やみたいに町を歩いていれば一発で、「あの人」と判断がつくもの。うんん、さもありなん。

もう随分前のことになるが、そういう出で立ちでアーケードの中をあるいていたら、親子連れの子供が僕の方を指さして、「あっ、笑うセールスマンだ」と言ったことがある。僕も気分を良くし手を振る始末。

まあ、そんなこともあり、僕が相手を知らなくても。相手が僕を知っていることがあるわけだ。昨夜もそうだった。善行にいそしんでいる僕の姿が見られるのなら、一向にかまわない。「ご自由にどうぞ」と言いたいところだが、僕がいつも、にっこりマークのお地蔵様という訳にもいかない。

今日の格言だ。「自分が相手を知らなくても、相手は自分を知っていることがままある。いつもそのことを念頭に置き、品行方正につとめよ」と言うことになるか?。

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