新郎・新婦から両親への感謝の言葉を涙ながらに聞いた。宴もクライマックスだ。興奮さめやらぬまま、最後の章へ突入。追い討ちをかけるように両家を代表して新婦の父親(われわれの友人)が、お礼の言葉を述べた。高校時代は方言丸出しで、挨拶なんて到底うまいとは思っていなかったが、いやああーーー、やればできるものだ。淡々と落ち着いて、一語一句、選び抜いたかのごとく言葉を選択し、見事にやってのけた。予習の効果がまさに発揮された。

われわれ友人一同は、「ほほう、なるほど」と感心するばかり。その後、新郎が二人を代表して、来賓の客にお礼の言葉を述べた。これもすばらしかった。その理由はただひとつ。心のこもったお礼の言葉だったからである。まあ、当然と言えば当然だが・・・・。

めでたく宴も終了した。再び新幹線に揺られて我が家へ帰ろうかと思ったが、友人たちは花嫁の父親がチャーターしたマイクロバスで帰るとのこと。僕も便乗することにした。バスはビルの谷間を潜り抜け、風光明媚な海岸線を北へひた走り。僕たちはバスの中で披露宴の模様を語りながら、用意されていたビール缶の栓を抜いた。

バスから降りるまで、しゃべりっぱなし。飲みっぱなしだった。2時間ばかりで到着。小雨がぱらぱらと落ちてきた。娘を嫁がせた両親の涙かのごとく思えた。まさにグッドタイミングの雨ってところか?。

ここで、お開きにすればよかったが、ビールで勢いが回ったか、この地で再びアルコールにまみれることになる。結局、ホテルに一泊することになった。ま、これも宴、縁である。久しぶりに飲む故郷の酒。酔いたくもあり、酔いたくもなし。そんな心境だった。

翌朝は、早々に列車に乗って、我が家へと急いだ。なんとなれば、仕事が待っていた。あああああ、人は、ゆっくりと僕に時間を与えてくれない・・・・・。「金はいらないから、時間をくれ」と言った友人の言葉を思い出す。僕もそう言ってみたいが、それじゃああ、おまんまの食い上げだ。すべからく労働にいそしむことにしよう。

なにはともあれ、久しぶりに味わった感動の一時だった。(完)

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