今日は午後から仲間内10人程度で、近県へ小旅行だ。昨夜の大雨で、天気を心配していたが、曇り空ながら小康状態。牛にひかれて善光寺参りではないが、貸し切りの小型バスがチャーターされている。一人でワンシートを確保し、ゆったりと旅ができるのは最高である。バスガイドさんはいないので、缶ビールを片手に、仲間内のたわいもない話を聞きながら行く。これまた楽しいものである。

行く先は温泉町。僕の生まれた故郷も温泉町だった。さほど、温泉町に興味はないが、仲間内の旅行とあらば仕方がない。昔、よく、じい様に手をひかれて、大衆浴場へ行っていた。お毛毛のないチンチンを丸出しで、浴場内を駆け回っていた。近所のオジサンたちから「転ぶぞ」と、叱られたものだ。

今はさすがにそんなこともできない。つつしめやかに、タオルでチンチンを隠し、浴槽に入ってからは、タオルを頭にのせ、湯の香りと湯のなめらかさを楽しむ。
ただ、昔の癖が残っているのか、広い浴槽をみると、つい泳ぎだしたくなる。まずは、犬かき。次に平泳ぎ、クロールとくる。バタフライはとてもとてもできない。そこまでやると、餓鬼様だ。そんな風に泳ぎながら頭の中では、「おれもまだすてたものじゃないなーーー」と考える。「昔とった杵柄は今も健在だー」とうれしくなる。

一泊小旅行の楽しみは温泉もさながら、その地での宴会もまた格別。上げ膳据え膳で、きれいどころのお酌を受け、カラオケ等に興じる。最近は盃を渡したり返したりすることは少なくなったが、お酌を受けながら、その地で 働く仲居さんや、コンパニオンレディーたちの人生話を聞くのも、これまた悦なこと。聞くも涙、語るも涙でカタルシスに落ちる。また、行きたくなると思わせるのが、観光地の目論見である。

すつかり酩酊後の最後の楽しみは何といってもマッサージ。フロントに予約を入れておく。約束の時間に、ドアを「コンコン」とたたく音が。来たか?今や遅しと、ドアを開くと、「わおーーーーつ」と驚く。小又の切れあがった30代の女性かと思いきや、な、な、なんと、70歳がらみのご婦人。「まいったなー」と思えど、後のまつり。

諦めて、だらいなく着込んだ浴衣につつまれた僕のしなやかなボディー?を横たえる。背後から、白魚ならぬ、魔法の指が肉体を突き刺す。「こりゃー年期がはいっているぜーーー」と、変に感心しながら、僕は寝息を。とある時間が過ぎて、「お時間でございます」と、耳元に山姥の叫ぶような声が・・・・。「ええつ、もう時間?」というと、「延長なさいますか?」と聞いてくる。僕はほてった首を「ゴキゴキ」と鳴らしながら、「ありがとう。結構です」と丁重にお断りを。すでに、酔いも冷め気味だ。

まあ、こういう経過をたどるのがいつものパターンである。翌朝は、早くに目がさめ、朝風呂に入り、適当な 土産を買い求む。帰りのバスでは、うたたねしながら、昨夜の夢・幻に思いをはせる。帰り地点までたどりつくと、もう、あさっての顔。さまざまなしがらみが待っているかと思うと、身震いがする。温泉ですっかり、赤と罪を洗い流して、再スタートである。

おそらく、今日の旅もそうなるだろう。

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