「弟との思いでパート2」を書こうと思っていたが、日が経つと、その思いがどこかへ飛んでしまった。結論だけ書いておこう。楽しい思い出はいつも楽しく思い出され、悲しい思いではいつも悲しく思い出される。もちろん、弟との思いでは楽しい思い出となった。彼はまだピンピンしているから思い出を語るには早いか?。来週の月曜日には彼を含めて4人のメンバーで会うことになっている。これから行くであろう珍道中の打ち合わせである。

今日、僕の心はやや感傷的になっている。一昨日が雨。昨日は曇り空。かくして、今日は見事な秋晴れ。この秋晴れが感傷を誘うのかもしれない。午前中、県庁へ赴き、一仕事を終えた。コスモスロードを通って我が家へ帰還。道すがら花は風になびけど、人影は見あたらず。市町村合併はあれど、過疎化は着実に進行している。子供がいないのだ。「子供さんどこへ行った?」と叫びたくなる。

ため息ばかりではいけない。少し、楽しい話でも書くと気分も高揚するかもしれない。一昨日の雨の夜。仕事を終えて帰ろうかと思ったが、久しぶりの雨。「雨宿りして行っては?」という悪魔の声が聞こえた。せっかちな僕だ。決断は早い。「そうすべえーーーー」と、行きつけの小料理屋の暖簾をくぐった。

雨にもかかわらず、数名の先客がいた。「ママはいらっしゃい」と、いつもの笑みを浮かべた。この笑みに弱いんだよなあーーーー。ここへ来ている客は皆そうかもしれない。ライバルが多いぜー。

僕はいつものごとく、ジョッキで一杯のビールを所望し、後は焼酎のお湯割のコースだ。今日の鍋物は、ジャガイモを煮たやつ。ほくほくしてうまそうだ。
それに、胡椒みたいなものがかかっていた。僕が「胡椒をかけるとおいしいね」と言うと、「それ胡椒じゃないわ。バジルよ」とか言う。バジルかああーーー。しらないなあーーーー。まあ、おいしければなんでもいいわけだ。

ママの手が一段落した。ママはおいしそうにビールをあおりながら、手が最近ネットで購入したというCDへ伸びた。腫れ物にでも触るかのように、包装紙を解いた。「これ、いいのよーーーー」と言う。何の曲かと思えば、韓国の男優さんが日本語で歌っている曲とのこと。曲は、「花の首飾り」と「名残雪」という名曲だった。「声が柔らかくて、甘いのよ」と、ママはべた褒め。確かに僕も好きな曲だ。僕は思わず言ってやった。「ママ、僕の方がうまいんじゃないかなああ・・・?」って。ママ曰く。「だって、○○さんの歌、まだ聞いたことがないもん」と。そうかああ・・・。僕はそれ以上の言及を止めた。

程なく、常連の「でーちゃん」がやってきた。彼は一人で、ちびちび酒を飲むのが好きな変わった男である。歌がめっぽううまく、ママも一目を置いている。僕も何度か聞いたことがあるが、「うんん、さすが」と言える実力の持ち主。彼の欠点なのか?美点なのか?。マンションはあるがまだ独り者。過去に思いを寄せた人の事をまだ引きずっているのだろうか?。僕は「来る者、拒まず。去る者、追わず」の主義だから、彼ほどには純粋でないのかもしれない。

ひとしきりだべり、気が大きくなった僕は、降りしきる雨を背に、ネオンまたたく花街へと消えた。例によって、午前様となった。合い鍵は持参済み。なつかない猫の出迎えを受けた。「知らぬ存ぜず」でそっぽを向いている。「現金なやつだ」と思うが、少ない家族の一員だ。よしとしなくちゃあ。

てなわけで、昨日と今日は、外の風景を眺めながら、ぽけーーーつと仕事をした。している。何はともあれ秋だ。人恋うる秋。物憂い秋。春のけだるさと違って、それもまたいいか。

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