僕たちは甘い妄想を抱きながらすやすやと寝に就いた。朝6時。外人さんは坐禅に来なかった。さもありなん。得体の知れないとっちゃん坊や達が行儀悪く寝ている。きっと、びっくりしたに違いない。洗面を済ませ、例によって、朝の清掃に赴いた。一夜にして庭の通路は落ち葉のジュータンだ。掃き寄せても無駄なように思えるが、禅とは「無駄なことを、せっせとすることだ」と方丈様が教えてくれた。要するに、「何にもならないことでも、一生懸命にやっているその姿に仏法が宿っている」ということなのだろう。

僕たちはただひたすら落ち葉を掃き寄せた。終わって、母屋の台所へ行くと、そこにはドラえもん君が朝食の準備に汗している姿が見えた。既に、味噌汁はだしが取ってあり、今まさに豆腐を、ばかでかい手のひらにのせ、碁盤状に刻もうとしていた。よく見ていると、なかなかうまい。僕には出来ない芸当だ。僕たちは配膳を手伝い、味噌汁の完成も間近。最後にお玉みたいなもので、味噌を溶き、ネギとわかめを入れて完成か?。

方丈様がにこにこ顔で登場。奥様はまだ、昨夜の疲れの為か、出てこられなかった。あるいは、もう既に出勤されていたのかも分からない。僕たちは六人で、ドラえもん製作の味噌汁に挑戦。汁をすすり、方丈様が言った。「うんん、おいしいよ」。僕たちも、遅ればせながら、「美味い、美味い」と言って、お代わりまで頂戴した。和やかな会話の中での朝食となった。

後片つけが終わり、部屋へ戻った。さあああーーー、いよいよ、秘境のヌード村へ出発だ。気がせいたが、その前にレンタカーをチャーターする必要がある。幸い、方丈様が英語が話せる日本人ドライバーを紹介してくれた。ありがたいことだ。彼はその秘境の村へ行ったことがあるという。とりあえず、レンタカーを借りに、ドライバーの方と、スネ夫君、ドラえもん君が行くことになり、ネズ君と、のび太君とジャイアン(僕)は、ここで待っていることになった。

20分くらい経っただろうか?。ドライバーの方とドラえもん君が戻ってきた。「あれっつ、スネ夫君は」と聞くと、レンタカーを運転してこっちへ 向かっているという。スネ夫君は国際免許証を持参していたので、こちらでも乗れるわけだが、いっこうに戻ってこない。「ドラちゃん、どこで別れたの?」と聞くと、途中で追い越してきたという。「なんでスネ夫君の車に乗らなかったの?」と聞くと、「怖くて乗れないよ。だから断った」という。この件に関してはスネ夫君もかなり怒っていたようだ。なかなかスネ夫君の状況が分からず、心配していたが、やっと携帯電話が通じた。道に迷い、かなり遠くまで行ってしまったらしい。今、戻ってきているという。事故じゃなくてやれやれだ。一時間を経過した頃、スネ夫君が戻ってきた。「すんません。道に迷ったみたいで」と、にっこりしながら言う。「ほーーっつ」と、安堵感に包まれた一瞬だ。さあーーー、車もチャーターできたし、いざ出陣。レンタカーに乗り込み、ひたすら高速を走り続けた。

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