時が流れ、灼熱の夏が真っ盛りだ。連日の猛暑に、うんざりしている。同時に体力も気力も下降気味。「これじやいけない」と思えど、流れ落ちる汗は如何ともしがたい。不快感だけが脳細胞を支配する。クーラーの部屋へまっしぐら。電気代が心配だぜ・・・・。
昔はこうではなかった。エアコンなしでも夏、冬が充分過ごせた。ああああつ、昔に戻れたらなあーーーと思えど、今ではそれも叶わぬ夢か?。何とかしてこの温暖化を食い止めなくてはならない。
涼を求めて、久しぶりに「のりちゃん先生」と、小料理屋の暖簾をくぐった。会話は「暑いネー」で始まり、「暑いネー」で終わる。僕は友人から聞いた温暖化対策の一方策を、のりちゃんに話した。「日本全国のコンクリート道路を全部はがして、昔のでこぼこ道に戻したら、太陽の反射熱を随分おさえられるのでは 」と。のりちゃん曰く。「はがした残骸はどうするのよ。残骸の処理に莫大な金がかかり、かえって、温暖化が進むよ。そんな事を言うなら、もっと、いい方法があるよ。車のすべてを廃棄して、電車と船だけにすればいい。そうすればかなりの効果があるよ」と。うんんん、確かにそうかも知れない。ただ、いずれも不可能な夢物語だ。たとえ、日本のみがそれを実行出来たとしても、経済は大混乱を起こすし、世界が歩調を合わせなければ何の意味もないだろう。
夢物語はこれくらいにして、のりちゃんが別の話題でしゃべった言葉が面白かった。「今や、科学や技術は格段の進歩を遂げてきたが、人間の心は、ちっとも進歩していない」というのだ。要するに心だけは昔とちっとも変わらないと言う。言われてみればそんな気もする。そもそも心の進歩、(進化と言っても良いか?)とは何だろう?。
人間の心を全く別の次元というか、物に変えることなのか?。有史以来、自然界の王者として、飽くなき欲を持ち続けてきた人間。科学や技術の進歩は、この欲の産物と言えるだろう。欲は本能の一つであり、また心の一部とも言える。理性が本能を押さえることは出来るが、理性のみで、心を支配することが心の進歩、進化なんだろうか?。そんなことはないはずだ。
要するに分からない。ただ、なんとなく、心はちっとも進歩していないという、のりちゃんの言葉が妙に心に残った。
僕はのりちゃんと別れて、夜の町を一人で彷徨った。知っている店へ赴いた。心が妙に落ち着いていた。カウンター客の中に自然とうち解けていった。ママさんの涼しそうな目が僕仁注がれた。僕は優しいまなざしでそれを受け止めた。どうも、今日のアルコールは良いアルコールに思えた。妙に優しく振る舞えた。
何故だろうと思った。多分、のりちゃんが言った「心の進歩」と言う言葉が脳裏をかすめ、「やさしくあること」が心の進歩の一つであるように感じていたからだろう。家に帰っても、心の穏やかさは持続していた。
ふっと、悪魔の声が聞こえた。「それは心の進歩ではない。ただ単に、気分が良かっただけだ」と。確かにそうとも言える。僕の心もいつ豹変するか分からないからだ。とりもなおさず、僕の辞書では「心の進歩とは優しさの追求」である。
昔はこうではなかった。エアコンなしでも夏、冬が充分過ごせた。ああああつ、昔に戻れたらなあーーーと思えど、今ではそれも叶わぬ夢か?。何とかしてこの温暖化を食い止めなくてはならない。
涼を求めて、久しぶりに「のりちゃん先生」と、小料理屋の暖簾をくぐった。会話は「暑いネー」で始まり、「暑いネー」で終わる。僕は友人から聞いた温暖化対策の一方策を、のりちゃんに話した。「日本全国のコンクリート道路を全部はがして、昔のでこぼこ道に戻したら、太陽の反射熱を随分おさえられるのでは 」と。のりちゃん曰く。「はがした残骸はどうするのよ。残骸の処理に莫大な金がかかり、かえって、温暖化が進むよ。そんな事を言うなら、もっと、いい方法があるよ。車のすべてを廃棄して、電車と船だけにすればいい。そうすればかなりの効果があるよ」と。うんんん、確かにそうかも知れない。ただ、いずれも不可能な夢物語だ。たとえ、日本のみがそれを実行出来たとしても、経済は大混乱を起こすし、世界が歩調を合わせなければ何の意味もないだろう。
夢物語はこれくらいにして、のりちゃんが別の話題でしゃべった言葉が面白かった。「今や、科学や技術は格段の進歩を遂げてきたが、人間の心は、ちっとも進歩していない」というのだ。要するに心だけは昔とちっとも変わらないと言う。言われてみればそんな気もする。そもそも心の進歩、(進化と言っても良いか?)とは何だろう?。
人間の心を全く別の次元というか、物に変えることなのか?。有史以来、自然界の王者として、飽くなき欲を持ち続けてきた人間。科学や技術の進歩は、この欲の産物と言えるだろう。欲は本能の一つであり、また心の一部とも言える。理性が本能を押さえることは出来るが、理性のみで、心を支配することが心の進歩、進化なんだろうか?。そんなことはないはずだ。
要するに分からない。ただ、なんとなく、心はちっとも進歩していないという、のりちゃんの言葉が妙に心に残った。
僕はのりちゃんと別れて、夜の町を一人で彷徨った。知っている店へ赴いた。心が妙に落ち着いていた。カウンター客の中に自然とうち解けていった。ママさんの涼しそうな目が僕仁注がれた。僕は優しいまなざしでそれを受け止めた。どうも、今日のアルコールは良いアルコールに思えた。妙に優しく振る舞えた。
何故だろうと思った。多分、のりちゃんが言った「心の進歩」と言う言葉が脳裏をかすめ、「やさしくあること」が心の進歩の一つであるように感じていたからだろう。家に帰っても、心の穏やかさは持続していた。
ふっと、悪魔の声が聞こえた。「それは心の進歩ではない。ただ単に、気分が良かっただけだ」と。確かにそうとも言える。僕の心もいつ豹変するか分からないからだ。とりもなおさず、僕の辞書では「心の進歩とは優しさの追求」である。
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