旅日記のプロローグ。
 僕たち5人の旅立ちが迫ってきた。主催者どらえもん君を筆頭に、のび太君、そして僕こと、ジャイアン、さらにネズミ男君、初老の紳士、夜泣き爺といったメンバーである。当日30日は、僕の居所を集合地として、朝6時に出発する。乗り物はどらえもん君がお腹のポケットから取り出した乗用車で、といきたいところだが、なにせ、この不景気。ポッケにはへそのゴマしか入っていない。

となれば、貴公子たる、のび太君にお願いするしかない。彼は快く僕たちの要請を受諾。かくして、彼の高級車に便乗して国際線の駐車場まで行くことに決定。もちろん、数泊分の駐車料金は便乗した我々で割り勘だ。

僕たちの旅はいつも、失敗だらけの、はちゃめちゃな旅になる。だからこそ面白いし、思い出として残る。いずれ書くことになると思うが、今日は旅日記のプロローグ。序章だ。

それぞれの自己紹介をしておかなくてはなるまい。まずは、どらえもん君・・・・・。今度の旅のリーダー格である。ニックネームのとおり体はでかくて、どらえもんそっくりの丸顔。僕と同業の仲間でもある。いつも冷静沈着で、頼りがいのある男である。お腹の中は宝の山と行きたいが、がれきの山と言った方が正しいか?。食は相当にいける。自らも台所にたつから、たいしたものだ。頭にタオルを巻き、よだれかけをしている姿はまさにどらえもんである。それでも、優秀な頭脳で、てきぱきと我々をリードしてくれるから有り難い。目を大きくして豪快に笑うところがかわいい。貴公子たるのび太君にはなくてはならぬ存在だろう。誕生日まで一緒というから、これまた奇遇だぜ。

次にのび太君・・・・・・僕の仕事仲間であり、弟みたいな存在でもある。やや、気が弱そうに見えるが、実は多才な芸の持ち主だ。僕の知る限りでは、水彩画、書道、写真、ハングライダー、空手、色んな会の役職を兼任、5種ルぐらいの国家資格を取得済み。まだあるやも知れぬ。じつにお人良しで、頼まれたら断れない性格。まさにのび太君だ。先日、とある小料理屋で5人集まり、壮行会をやったが、部屋の壁にB5サイズくらいの水彩画が掲げられていた。なんと、のび太君製作の「たまねぎ」の絵だった。定価一万五千円。微妙な彩りのタマネギが用紙の真ん中にぽつんと1個描かれている。
彼に言わせると、ほんの30分くらいで書いた絵らしい。「一万五千円は高くないかい?」と聞いたところ、額が半分以上はするという。なるほどねーーーー。いまだ買い手は見つからないが、良い絵だと思う。そうそう、まだ「しずかちゃん」候補は見つかっていない。

さてさて、次は僕の番か?。人のことをことさら書き立てて、自分の事を美化して書くことは潔しとしない。僕はジャイアン。結構、意地悪である。のび太君やどらえもん君に迷惑をかけていること多少。独りよがりのわがまま。大言壮語を吐くが、意外と気弱。「笑うセールスマン」タイプで、人の心の中に忍び込むのが得意。口癖は、「なるほどねー」「だから言ったじゃないの」「まだ君の心が読めないなあーー」「それは罪なことか?」「冗談じゃないぜ」「とんでもない」「不愉快だ。帰る」とかいう言葉をよく使う。僕が言うかも知れないと察した人から先にその言葉を言われてしまうこと多々。「情けないぜ」。ジャイアンの事はこれくらいにしておこう。

次はネズミ男君だ。彼は二十数年来の友人。すでに頭髪が風前の灯火に近い状態につき「ネズミ男君」と命名した。未だに嫁さんおらず。友人達が見合いを設定すること度々。その都度はかなく散ってきた。「えり好みもほどほどにせい」と言いたいが、彼の言い分はこうだ。「おいらは、めっぽう気の優しい女性でないとダメ」と。今どき、三つ指ついて、「おかえりなさいませ。行ってらっしゃいませ。お風呂になさいますか?お食事になさいますか?」とか何なんとか言う女性が、この世のどこにいるもんねと、彼を説得するが、聞く耳を持たない。その割に、彼が自慢する話がある。「おいらは武田鉄矢さんの101回のプロポーズをとっくに追い抜いたぜ」と。なんでも、130回以上は見合いをした由。これには僕たちも脱帽だ。嫁さんをあてがうのも、もう限界に近いぜ。もう一つ、彼の欠点というべきか?長所というべきか?、酒を飲んで、よくもどしてしまう。飲み屋さんで数回。僕の家で1~2回。強くもないのに調子に乗るところは僕に似ている。これも愛嬌だぜ。

最後に、紳士たる長老の「夜泣き爺」。ちょっと、失礼に当たる名前かと思ったが、奥さんを亡くし独り身。子供もいないそうで、僕の脳裏に、パッと、そのニックネームが浮かんだ。今はどらえもん君が後見人になっている。そして、僕事、ジャイアンが立会人。「夜泣き爺」が、おいおいと泣くような事があれば、ジャイアンの目が光る。僕たち3人は一蓮托生。いわゆる三位一体だ。ホテルも部屋割りは、夜泣き爺さんと、どらえもん君の2人が同部屋。まあ、親子みたいなものだからなあーーー。残りの3人が同部屋とあいなった。いずれにせよ、長老がいることは心強い。我々生半可な中年男達では、まだ人生経験が浅いからだ。はちゃめちゃな旅を「ぐっ」と引き締めてくれるのは長老しかいまい。

プロローグが長くなった。数日後に旅立つ。結果が良ければ全てよしだ。
旅を終えてから、後日談を書くことにしよう。



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