僕たちの旅が始まった。早朝6時、我が家の駐車場に3台の車が滑りこむ。ドラえもん君、のび太くん、ネズミ男君、夜泣き爺さんの4人が降り立った。皆、寝不足のようだ。そういうジャイアンたるこの僕も同様。まだ見ぬ地へと飛び立つ期待と不安が睡魔を追っ払い、ろくに寝ていないのだ。それでも、皆、顔を見合わせ、「にんまり」と笑った。この「笑い」の意味はよくわからない。それぞれに思うことが違うからだ。さああ、出立だ。僕たちはトランクへ、まだ軽いバッグを放り込み、のび太くん操る高級乗用車へと乗り込んだ。
皆の装いを紹介しておこう。ドラえもん君は大きなお腹を覆い隠すような綿のジャンパー。帽子なし。のび太くんは、一見高級そうな黒皮のジャンパー。野球帽のようなものあり。後の三人も、似たり寄ったりの、普段着姿だ。夜泣き爺さんも野球帽のようなものをかぶっている。ジャイアンの僕は何を思ったか、笑うセールスマンがかぶっているようなハットだ。「ハッ」と、人が気づいてくれるように配慮したと言えば嘘になるか?。ネズミ男君は、とりあえず風前の灯火たる頭髪を大気にさらしていた。総じて、この一行は田舎の「おっさん」風と言ったが当たっているだろう。
のび太くん運転のもと、僕たちは一路北へと車を走らせた。まず、高速に乗り、そのまま都市高速へ乗り換えると、ほぼ1時間弱で飛行場へ着く。車の座席は、ジャイアンが助手席。ドライバーの後部座席にドラえもん君、真ん中に夜泣き爺さん。助手席の後ろに、ネズミ男君が座った。これはリーダーたるドラえもん君が描いた構図である。僕ならちょっと違った構図を描いたが、この場では述べまい。
車の中では、それぞれ固い話に終始した。それもそうだろう。ジャイアンに次いで方向音痴の、のび太くんがドライバーとあらば、皆、一応に不安を抱くのは道理だ。だが、そういうことは、おくびにも出せない。と同時に、腹はすくし、寝不足がたたっている。冗談を言って笑い転げる状況ではない。何があっても俺たちは一蓮托生だぜ。そんな気持ちで心だけが先へ先へと急ぐ。
車は都市高速の入り口にさしかかった。な・なんと・・・、進入禁止、通行止めの看板が掛かっていた。「えええっっ、WHY? なぜ?」。僕たちは目を白黒させながら、都市高速の遠くへ目を向けた。何があったのかわからない。勝手に事故があったに違いないと想像した。のび太くんは急遽、高速道をおりて一般道へと進んだ。渋滞だ。こんな早い時間に渋滞とは、やはり都市高速での事故らしき事が原因に違いない。
僕たちは眠気も遠ざかり、緊張感だけが急に高まった。旅はまだ始まったばかりである。
皆の装いを紹介しておこう。ドラえもん君は大きなお腹を覆い隠すような綿のジャンパー。帽子なし。のび太くんは、一見高級そうな黒皮のジャンパー。野球帽のようなものあり。後の三人も、似たり寄ったりの、普段着姿だ。夜泣き爺さんも野球帽のようなものをかぶっている。ジャイアンの僕は何を思ったか、笑うセールスマンがかぶっているようなハットだ。「ハッ」と、人が気づいてくれるように配慮したと言えば嘘になるか?。ネズミ男君は、とりあえず風前の灯火たる頭髪を大気にさらしていた。総じて、この一行は田舎の「おっさん」風と言ったが当たっているだろう。
のび太くん運転のもと、僕たちは一路北へと車を走らせた。まず、高速に乗り、そのまま都市高速へ乗り換えると、ほぼ1時間弱で飛行場へ着く。車の座席は、ジャイアンが助手席。ドライバーの後部座席にドラえもん君、真ん中に夜泣き爺さん。助手席の後ろに、ネズミ男君が座った。これはリーダーたるドラえもん君が描いた構図である。僕ならちょっと違った構図を描いたが、この場では述べまい。
車の中では、それぞれ固い話に終始した。それもそうだろう。ジャイアンに次いで方向音痴の、のび太くんがドライバーとあらば、皆、一応に不安を抱くのは道理だ。だが、そういうことは、おくびにも出せない。と同時に、腹はすくし、寝不足がたたっている。冗談を言って笑い転げる状況ではない。何があっても俺たちは一蓮托生だぜ。そんな気持ちで心だけが先へ先へと急ぐ。
車は都市高速の入り口にさしかかった。な・なんと・・・、進入禁止、通行止めの看板が掛かっていた。「えええっっ、WHY? なぜ?」。僕たちは目を白黒させながら、都市高速の遠くへ目を向けた。何があったのかわからない。勝手に事故があったに違いないと想像した。のび太くんは急遽、高速道をおりて一般道へと進んだ。渋滞だ。こんな早い時間に渋滞とは、やはり都市高速での事故らしき事が原因に違いない。
僕たちは眠気も遠ざかり、緊張感だけが急に高まった。旅はまだ始まったばかりである。
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