「パパパンパン」のマッサージから帰った後、部屋で、もう一騒動あったことを書いておかねばなるまい。あまり愉快な話ではないので、捨象しようかと思ったが、一応、記することにしよう。旅に出ると、こんな失敗もあるわけだ。
のび太君、ネズミ男君、ジャイアンの三人は、焼酎をあおりながら、談笑していた。当然、ある時間が来ると、大なり小なりを催してくるのは自然の摂理。このジャイアン、旅だって初めて、大のトライだ。「記念すべき一投をこの大地にささげん」と、いきり立って洗面所へたった。
ホテルの造作は、どこも似たり寄ったりで、浴槽があり、トイレがあり、洗面所がある。ここも一つを除いて例外ではなかった。いや、例外は二つと言うべきか?。その一つの例外とは、なんと、トイレらしき物が二つあるのだ。一つは、日常的なふた付きの水洗トイレ。もう一つはふたなしで、穴の開いた突起がある大きな器。両方とも乳白色の楕円形。材質は陶器製だろう。
のび太君曰く。「ここは洗濯用の器がトイレ器のとなりにあるよ」と。最初、これを見たとき、僕も「そうかな」と思った。あるいは一つは大用、もう一つは小用かとも思った。ところがさにあらず。ネズミ男君に言わせると、「これは40年前の一番最初に出た尻洗い器だ。おいらはこれで、大失態をした。蛇口をひねると、水が勢いよく飛び出し、腸まで水が入り込んだぜ。それにホールをきちんとあてがわないと、尻の周りが水浸しさ」と。「パンツが何枚あっても足りないぜ」と、僕たちは大笑いだ。それにしても、昔取った杵柄か?。ネズミ男君は博識だぜ。
ところで、僕は記念すべき一投を水で洗い流し、いざ、ペーパーへ手を伸ばそうとすると、パーパーの芯だけしかない。「えええつ、まさか?。きっと在庫があるはずだ」と周囲を眺め回したが、見当たらない。これが第二の例外だ。普通なら、予備が数個おいてあるはずだ。「うんん如何せん。生憎、ハンカチは手元にない。タオルを使うか?、それはあんまりだ。このまま隣の突起にホールをあてがおうか」と、いろいろ思案すること数十分。情けない話だ。
男ばかりの部屋。ここに至っては羞恥心もへったくれもないだろう。結局、僕、ジャイアンは洗面所の中から、ネズミ男君に洗面所へきてくれと懇願し、フロントへ持参するよう依頼した。それがなかなか持ってこないのだ。話は通じているんだろうか?。もう、30分は缶詰だ。僕は「まだーーーーつ」と叫んだ。これじゃあ、らちがあかないと、ネズミ男君が別室のドラえもん君の部屋からペーパーを借りてきてくれた。それでなんとか事なきを得た。
「えええい、物の試しだ」とネズミ男君は、尻洗い器の蛇口をひねった。な、な、なんと、水は勢いよく直線を描いて飛び出し、天井まで届くではないか。天井から水しずくがぼたぼた。床はびちゃびちゃだ。なんでも、翌朝聞いたところによると、階下の部屋で水漏れがしたそうな。嘘か誠か、皆大笑いだ。
事なきを得たは良かったが、これを聞いた長老、夜泣き爺さんは、自らの失敗談を語ってくれた。長老も昔、例の尻洗い器を使ったことがあったそうだ。座り方を間違え、「おやっ」と思って、のぞき込んだら顔面を水が直撃。めがねが吹き飛んだらしい。いやはや傑作もいいところだ。きれいな水なら顔を洗ったですまされるが、どんな水だったのか知る由もない。
こんなハプニングは二度とごめんだと思えど、そこがまた旅のおもしろさでもある。
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のび太君、ネズミ男君、ジャイアンの三人は、焼酎をあおりながら、談笑していた。当然、ある時間が来ると、大なり小なりを催してくるのは自然の摂理。このジャイアン、旅だって初めて、大のトライだ。「記念すべき一投をこの大地にささげん」と、いきり立って洗面所へたった。
ホテルの造作は、どこも似たり寄ったりで、浴槽があり、トイレがあり、洗面所がある。ここも一つを除いて例外ではなかった。いや、例外は二つと言うべきか?。その一つの例外とは、なんと、トイレらしき物が二つあるのだ。一つは、日常的なふた付きの水洗トイレ。もう一つはふたなしで、穴の開いた突起がある大きな器。両方とも乳白色の楕円形。材質は陶器製だろう。
のび太君曰く。「ここは洗濯用の器がトイレ器のとなりにあるよ」と。最初、これを見たとき、僕も「そうかな」と思った。あるいは一つは大用、もう一つは小用かとも思った。ところがさにあらず。ネズミ男君に言わせると、「これは40年前の一番最初に出た尻洗い器だ。おいらはこれで、大失態をした。蛇口をひねると、水が勢いよく飛び出し、腸まで水が入り込んだぜ。それにホールをきちんとあてがわないと、尻の周りが水浸しさ」と。「パンツが何枚あっても足りないぜ」と、僕たちは大笑いだ。それにしても、昔取った杵柄か?。ネズミ男君は博識だぜ。
ところで、僕は記念すべき一投を水で洗い流し、いざ、ペーパーへ手を伸ばそうとすると、パーパーの芯だけしかない。「えええつ、まさか?。きっと在庫があるはずだ」と周囲を眺め回したが、見当たらない。これが第二の例外だ。普通なら、予備が数個おいてあるはずだ。「うんん如何せん。生憎、ハンカチは手元にない。タオルを使うか?、それはあんまりだ。このまま隣の突起にホールをあてがおうか」と、いろいろ思案すること数十分。情けない話だ。
男ばかりの部屋。ここに至っては羞恥心もへったくれもないだろう。結局、僕、ジャイアンは洗面所の中から、ネズミ男君に洗面所へきてくれと懇願し、フロントへ持参するよう依頼した。それがなかなか持ってこないのだ。話は通じているんだろうか?。もう、30分は缶詰だ。僕は「まだーーーーつ」と叫んだ。これじゃあ、らちがあかないと、ネズミ男君が別室のドラえもん君の部屋からペーパーを借りてきてくれた。それでなんとか事なきを得た。
「えええい、物の試しだ」とネズミ男君は、尻洗い器の蛇口をひねった。な、な、なんと、水は勢いよく直線を描いて飛び出し、天井まで届くではないか。天井から水しずくがぼたぼた。床はびちゃびちゃだ。なんでも、翌朝聞いたところによると、階下の部屋で水漏れがしたそうな。嘘か誠か、皆大笑いだ。
事なきを得たは良かったが、これを聞いた長老、夜泣き爺さんは、自らの失敗談を語ってくれた。長老も昔、例の尻洗い器を使ったことがあったそうだ。座り方を間違え、「おやっ」と思って、のぞき込んだら顔面を水が直撃。めがねが吹き飛んだらしい。いやはや傑作もいいところだ。きれいな水なら顔を洗ったですまされるが、どんな水だったのか知る由もない。
こんなハプニングは二度とごめんだと思えど、そこがまた旅のおもしろさでもある。
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