トイレ騒動、いびき騒動はあったが、僕たちの一日目の旅が終わった。長い一日だった。ジャイアンの目覚めは爽快。ネズミ男君は不機嫌そのもの。貴公子のび太君は、さすがに冷静沈着。意に介せずといったところか。それぞれに洗面をすまし、朝食をとることになった。二階に設けられたバイキングルームへ行くと、既にドラえもん君と長老、夜泣き爺さんは席について、我々の登場を待っていたようだ。
開口一番、ドラえもん君が聞いてきた。「昨夜はどだった?」と。すかさず、ネズミ男君が、「もう、ジャイアンのいびきがうるさくて、寝られりゃしない。ぐぁおー、むにゃむにゃー、ぐぁおームニャムニャ。たまらんでー。ほとんど寝とりまっせん」と言う。皆大笑いだ、僕、ジャイアンは、長老、夜泣き爺さんの方を見ながら、「ドラちゃんも、相当のいびきじゃなかったの?」と聞くと、さすが、長老。我が子をかばうがごとく「にこっ」と笑みを見せ、無言で返した。皆、そく察した。「やはり、そうだったんだ」と。まあ、いいじゃないの。
周囲を見回すと、我々以外に見知らぬ日本人客が結構いた。なるほど、ツアーとはこういうものか?。当ホテルは違ったツアー客のねぐらでもあるわけだ。当然と言えば当然か?。既知のおばん諸氏はとっくに食事を済ませたとみえる。早起きは三文の得とばかり、恐らく先陣を切ったのだろう。
僕たちは壁際に配膳されている料理の数々を、めいめい皿に盛り、慣れないフォークとナイフでついばんだ。バイキングの朝食は、特に変わった物はなかった。というより、定番以外のものに、あまり食指が動かったせいもあり、そう感じたのだろう。それでも、数回席を立ち、おかわりをした。食欲だけは皆、旺盛だ。今日も健康、食事がうまい。旅はこれからだ。
美しいアオザイを来た若い女性が、残り少なくなっている料理の補給のため、行ったり来たりしていた。なんでも、ネズミ男君が彼女と肩がちょっとぶつかったそうだ。謝りをいれたが、相手は無表情で、無視されたとのこと。「愛想が悪いぜ」と、ぶつぶつ言っていたが、「さもありなん。風前の灯火とも言うべき、ネズミ男君の頭髪を見て、相手が恐怖心を覚えたっさ」と、僕たちは大笑いだ。だが、確かに、愛想が今ひとつだったことは否めない。あえて、彼女を弁護すれば、いちいち愛想を振りまいていては、仕事にならない。皆、早くこの労働をてきぱきと終えて安心したいと思うのは働く者の常というものだ。
朝食も終わった。出かける準備をしてロビーで待機した。二日目の空もどんよりとした曇り空。思っていた以上に暑い。これじゃあ、汗だくだくだぜということで、薄着のシャツに着替えたので幸いだ。別の日本人ツアー客のバスが先に到着した。僕たちは手を振ってバスを見送った。この不思議な親近感。異国の地だからこそ、同類を親しく思うのだろう。我々の旅は今日がメインだ。皆、おごそかな気持ちで迎えのバスに乗り込んだ。いよいよ出発だ。どこだったっけ?。そうそう、じいさん、ばあさんがいる村を連想させる、「バッチャン村」が最初だったっけ。
開口一番、ドラえもん君が聞いてきた。「昨夜はどだった?」と。すかさず、ネズミ男君が、「もう、ジャイアンのいびきがうるさくて、寝られりゃしない。ぐぁおー、むにゃむにゃー、ぐぁおームニャムニャ。たまらんでー。ほとんど寝とりまっせん」と言う。皆大笑いだ、僕、ジャイアンは、長老、夜泣き爺さんの方を見ながら、「ドラちゃんも、相当のいびきじゃなかったの?」と聞くと、さすが、長老。我が子をかばうがごとく「にこっ」と笑みを見せ、無言で返した。皆、そく察した。「やはり、そうだったんだ」と。まあ、いいじゃないの。
周囲を見回すと、我々以外に見知らぬ日本人客が結構いた。なるほど、ツアーとはこういうものか?。当ホテルは違ったツアー客のねぐらでもあるわけだ。当然と言えば当然か?。既知のおばん諸氏はとっくに食事を済ませたとみえる。早起きは三文の得とばかり、恐らく先陣を切ったのだろう。
僕たちは壁際に配膳されている料理の数々を、めいめい皿に盛り、慣れないフォークとナイフでついばんだ。バイキングの朝食は、特に変わった物はなかった。というより、定番以外のものに、あまり食指が動かったせいもあり、そう感じたのだろう。それでも、数回席を立ち、おかわりをした。食欲だけは皆、旺盛だ。今日も健康、食事がうまい。旅はこれからだ。
美しいアオザイを来た若い女性が、残り少なくなっている料理の補給のため、行ったり来たりしていた。なんでも、ネズミ男君が彼女と肩がちょっとぶつかったそうだ。謝りをいれたが、相手は無表情で、無視されたとのこと。「愛想が悪いぜ」と、ぶつぶつ言っていたが、「さもありなん。風前の灯火とも言うべき、ネズミ男君の頭髪を見て、相手が恐怖心を覚えたっさ」と、僕たちは大笑いだ。だが、確かに、愛想が今ひとつだったことは否めない。あえて、彼女を弁護すれば、いちいち愛想を振りまいていては、仕事にならない。皆、早くこの労働をてきぱきと終えて安心したいと思うのは働く者の常というものだ。
朝食も終わった。出かける準備をしてロビーで待機した。二日目の空もどんよりとした曇り空。思っていた以上に暑い。これじゃあ、汗だくだくだぜということで、薄着のシャツに着替えたので幸いだ。別の日本人ツアー客のバスが先に到着した。僕たちは手を振ってバスを見送った。この不思議な親近感。異国の地だからこそ、同類を親しく思うのだろう。我々の旅は今日がメインだ。皆、おごそかな気持ちで迎えのバスに乗り込んだ。いよいよ出発だ。どこだったっけ?。そうそう、じいさん、ばあさんがいる村を連想させる、「バッチャン村」が最初だったっけ。
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