僕たちの旅も二日目の夜を迎えた。今宵はナイトマーケットへ赴き、その後、レストランで、現地の料理を味わうことになっている。僕たちはホテルの部屋で一服し、その後、ロビーで迎えのバスを待った。時至れり。バスに乗り込む。ななななんと、先に乗り込んだ、おばん諸氏が、うんも言わさず、後部座席に陣取った。僕たちの専用席と思っていたのに、おばん諸氏の身の早さに脱帽だ。そのくらいなくちゃあ、娑婆世界での生存競争に勝てるはずもない。バーゲンセールでの商品争奪戦の光景を思い出した。
我々五人は、今まで空いていた中間の座席へ追いやられた。まああ、それはそれでいいのだが、「ピーチク・パーチク」と、良くしゃべること。あげくには、「じゃんけんぽん」までやり出した。何を競っているのかは知らないが・・・・?。一句、浮かんだ。「旅の夜は、気もそぞろかな、おばん達」。
30分ほどで、マーケット会場へ着いた。薄暗い広場の中に、縦横無尽に店舗が設けられていた。色んな小物類が、所狭しとあふれている。散策する前に、案内人から説明があった。ナイトマーケットでは、結構、スリが多いとのこと。また、商品も一流品ばかりではないので、気をつけてくださいとのこと。こういう配慮は旅行者にはありがたい助言である。
我々は三々五々と散っていった。ネズミ男君がジャイアンと行動を共にした。ネズミ男君には一つのもくろみがあった。何かと言えば、姪に、アオザイを買っていきたいらしい。僕たちは店舗を見て回った。あるはある。いたる店で、色とりどりのアオザイがハンガーにぶら下げてある。値段を問えば、一式、日本円で1000円という。「これまた安い」と、生地に触れもせず、黄色と青の二着を購入。サイズは適当にMを指示したようだ。包装も至って簡単。よくたたみもせずに、袋にポン。その場で、ネズミ男君とジャイアンは、「うっしっしー」と、顔を見合わせて意味不明の笑いを浮かべた。これが、とんだ苦笑いになろうとは、その時、知る由もなし。まああ、男の分野外の買い物はこういうものだ。
その点、貴公子、のび太君の買い物は、筋金入りである。誰に渡すのか知らねど、恐らくクライアントの、おばさん達への手土産だろう。楕円形の折りたたみ式木製手鏡。荷物にもならず、女性にはもってこいのお土産である。10個購入したよし。値段も驚くほど安い。僕たちは、側で、「あはははーーー」と笑ったが、僕、ジャイアンも翌日、別の店で5個購入。考えてみると、僕の方がもっと、値段が安かったような?。人まねしていながら、値段が安かったもないなあーーー。この辺が、ジャイアンの日和見主義的な悪癖かもしれない。反省、反省だ。
一通り、店を眺めて、僕もネズミ男君も、アオザイ以外には買い物はしなかった。「さあーて、バスの待機場所まで戻るか?」と、行ってみると、すでに、おばん諸氏達は集合していた。案内人の注意言葉が耳にあったのだろう。「危うきに近寄らず」。賢明な判断である。と、同時に、胃袋が時を急がせていたのかもしれない。
僕たちは、歩いてすぐ近くのレストランへ案内された。最初の夜に行ったレストランと雰囲気が良く似ていた。違うところと言えば、回転式の丸テーブルで、現地料理のセミフルコースってやつらしい?。通じない言葉を使う必要もない。僕たち5人と、例の五つ星に泊まっている二人の若い女性が同席となった。今までは親しく会話をしていなかったが、同席がとりもつ縁だ。色々と聞いてみると、二人は同じ職場の、先輩、後輩とのこと。有給休暇を利用しての旅らしい。二人とも、30歳前後のかわいい女性だった。おばん諸氏は別のテーブルで、妙にしんみりと座っている。バスの中での大騒ぎとは大違いだ。この身の変わり様は見事だ。
僕たちは例によって、ビールとワインがなくちゃーーー、食事が進まない。早々に、ドラえもん君がビールとワインをオーダーした。乾杯の後、大皿に盛られて運ばれた現地の料理をついばんだ。違和感なくおいしかった。アルコールが入ると、即、写真撮影。当然、二人の女性もカメラに収まった。一人の女性は固く口を結んで、二本指でピースのサイン。目は笑っていた。もう一人の女性は、「にっこり」と白い歯を見せて笑って映っている。その後、何枚か彼女等の写真を撮る機会があったが、映るときの表情はいつも同じ。二本指と白い歯である。これが彼女たちの写真写りのステータスなんだろう。
ワインとビールで僕たちは、ほろ酔い気分。食事も、そこそこお腹に収まった。いよいよ、ホテルへ戻り、魔の夜を迎えることになるのか?。今宵の悪魔は一体だれぞ?そんな事を思いながら部屋へ戻った。寝るにはまだ早すぎる。夜の町を探索するには、町自体が薄暗い。多分、電力事情がそれほど良くないのだろう。ネオンもほとんどない。「これじゃあーーーあばかんでー」と言うことで、我々三人の部屋へ、ドラえもん君と夜泣き爺さんを招き入れ、五人で、まだ残っていた焼酎を喰らい、よもや話で過ごすことになった。
焼酎を原液で、ごくごくだ。、何を血迷ったか、ネズミ男君が「おいらは、今日買ったアオザイを着て寝ようかしら?」なんて言う。袋から取り出して、体に当ててみると、いかにも安っぽく、刺繍もとってつけたような、品のないものだ。「これじゃああ、姪が泣くぜ」と、僕、ジャイアンが言う。また、のび太君が、「あんた、それを着て寝たら、明日はパンツが張り裂けているぜ」と言う。これには大笑いだ。おまけに、はげちゃびんの、ネズミ男君が着れば、気持ち悪いこと限りなしだ。
そこまでは良かったが、リーダー、ドラえもん君が、こっくり、こっくりやり出した。でかい体を揺すれば、よたれかかってくる。どうも始末に負えない。
しばらくほったらかしにして、4人で今日までにあったことを、面白おかしく話しだし、笑いのるつぼに落ちた。「パンパカパン・マッサージ」、「トイレの噴水事件」、「超高価な車エビを食ったこと」、はたまた、日本での出来事など、あげれば枚挙にいとまがない。時はどんどん過ぎていく。ドラえもん君は、どうやら本格的寝入りに入ったようだ。押せど、たたけど動かない。でかい、はげた頭だけが電灯で輝いている。まぶしいぜ。
ジャイアンと夜泣き爺さんは、ドラえもん君の両脇を抱えて、隣の部屋のベッドまで運んだ。いやあああ、力を抜いた体がこんなにも重いとは・・・・。こちとらまで、腰が痛くなった。今宵は夜泣き爺さんも一晩中、鼻の合唱に悩まされることだろう。そうこうしながら、僕たちも昨夜よりは快適さが向上したかに見えるベッドへ滑り込んだ。
我々五人は、今まで空いていた中間の座席へ追いやられた。まああ、それはそれでいいのだが、「ピーチク・パーチク」と、良くしゃべること。あげくには、「じゃんけんぽん」までやり出した。何を競っているのかは知らないが・・・・?。一句、浮かんだ。「旅の夜は、気もそぞろかな、おばん達」。
30分ほどで、マーケット会場へ着いた。薄暗い広場の中に、縦横無尽に店舗が設けられていた。色んな小物類が、所狭しとあふれている。散策する前に、案内人から説明があった。ナイトマーケットでは、結構、スリが多いとのこと。また、商品も一流品ばかりではないので、気をつけてくださいとのこと。こういう配慮は旅行者にはありがたい助言である。
我々は三々五々と散っていった。ネズミ男君がジャイアンと行動を共にした。ネズミ男君には一つのもくろみがあった。何かと言えば、姪に、アオザイを買っていきたいらしい。僕たちは店舗を見て回った。あるはある。いたる店で、色とりどりのアオザイがハンガーにぶら下げてある。値段を問えば、一式、日本円で1000円という。「これまた安い」と、生地に触れもせず、黄色と青の二着を購入。サイズは適当にMを指示したようだ。包装も至って簡単。よくたたみもせずに、袋にポン。その場で、ネズミ男君とジャイアンは、「うっしっしー」と、顔を見合わせて意味不明の笑いを浮かべた。これが、とんだ苦笑いになろうとは、その時、知る由もなし。まああ、男の分野外の買い物はこういうものだ。
その点、貴公子、のび太君の買い物は、筋金入りである。誰に渡すのか知らねど、恐らくクライアントの、おばさん達への手土産だろう。楕円形の折りたたみ式木製手鏡。荷物にもならず、女性にはもってこいのお土産である。10個購入したよし。値段も驚くほど安い。僕たちは、側で、「あはははーーー」と笑ったが、僕、ジャイアンも翌日、別の店で5個購入。考えてみると、僕の方がもっと、値段が安かったような?。人まねしていながら、値段が安かったもないなあーーー。この辺が、ジャイアンの日和見主義的な悪癖かもしれない。反省、反省だ。
一通り、店を眺めて、僕もネズミ男君も、アオザイ以外には買い物はしなかった。「さあーて、バスの待機場所まで戻るか?」と、行ってみると、すでに、おばん諸氏達は集合していた。案内人の注意言葉が耳にあったのだろう。「危うきに近寄らず」。賢明な判断である。と、同時に、胃袋が時を急がせていたのかもしれない。
僕たちは、歩いてすぐ近くのレストランへ案内された。最初の夜に行ったレストランと雰囲気が良く似ていた。違うところと言えば、回転式の丸テーブルで、現地料理のセミフルコースってやつらしい?。通じない言葉を使う必要もない。僕たち5人と、例の五つ星に泊まっている二人の若い女性が同席となった。今までは親しく会話をしていなかったが、同席がとりもつ縁だ。色々と聞いてみると、二人は同じ職場の、先輩、後輩とのこと。有給休暇を利用しての旅らしい。二人とも、30歳前後のかわいい女性だった。おばん諸氏は別のテーブルで、妙にしんみりと座っている。バスの中での大騒ぎとは大違いだ。この身の変わり様は見事だ。
僕たちは例によって、ビールとワインがなくちゃーーー、食事が進まない。早々に、ドラえもん君がビールとワインをオーダーした。乾杯の後、大皿に盛られて運ばれた現地の料理をついばんだ。違和感なくおいしかった。アルコールが入ると、即、写真撮影。当然、二人の女性もカメラに収まった。一人の女性は固く口を結んで、二本指でピースのサイン。目は笑っていた。もう一人の女性は、「にっこり」と白い歯を見せて笑って映っている。その後、何枚か彼女等の写真を撮る機会があったが、映るときの表情はいつも同じ。二本指と白い歯である。これが彼女たちの写真写りのステータスなんだろう。
ワインとビールで僕たちは、ほろ酔い気分。食事も、そこそこお腹に収まった。いよいよ、ホテルへ戻り、魔の夜を迎えることになるのか?。今宵の悪魔は一体だれぞ?そんな事を思いながら部屋へ戻った。寝るにはまだ早すぎる。夜の町を探索するには、町自体が薄暗い。多分、電力事情がそれほど良くないのだろう。ネオンもほとんどない。「これじゃあーーーあばかんでー」と言うことで、我々三人の部屋へ、ドラえもん君と夜泣き爺さんを招き入れ、五人で、まだ残っていた焼酎を喰らい、よもや話で過ごすことになった。
焼酎を原液で、ごくごくだ。、何を血迷ったか、ネズミ男君が「おいらは、今日買ったアオザイを着て寝ようかしら?」なんて言う。袋から取り出して、体に当ててみると、いかにも安っぽく、刺繍もとってつけたような、品のないものだ。「これじゃああ、姪が泣くぜ」と、僕、ジャイアンが言う。また、のび太君が、「あんた、それを着て寝たら、明日はパンツが張り裂けているぜ」と言う。これには大笑いだ。おまけに、はげちゃびんの、ネズミ男君が着れば、気持ち悪いこと限りなしだ。
そこまでは良かったが、リーダー、ドラえもん君が、こっくり、こっくりやり出した。でかい体を揺すれば、よたれかかってくる。どうも始末に負えない。
しばらくほったらかしにして、4人で今日までにあったことを、面白おかしく話しだし、笑いのるつぼに落ちた。「パンパカパン・マッサージ」、「トイレの噴水事件」、「超高価な車エビを食ったこと」、はたまた、日本での出来事など、あげれば枚挙にいとまがない。時はどんどん過ぎていく。ドラえもん君は、どうやら本格的寝入りに入ったようだ。押せど、たたけど動かない。でかい、はげた頭だけが電灯で輝いている。まぶしいぜ。
ジャイアンと夜泣き爺さんは、ドラえもん君の両脇を抱えて、隣の部屋のベッドまで運んだ。いやあああ、力を抜いた体がこんなにも重いとは・・・・。こちとらまで、腰が痛くなった。今宵は夜泣き爺さんも一晩中、鼻の合唱に悩まされることだろう。そうこうしながら、僕たちも昨夜よりは快適さが向上したかに見えるベッドへ滑り込んだ。
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