ホアンキエム湖で若い人たちの、「いちゃつき」に、さんざん当てられながら、我々は先へ進んだ。とある場所に橋がかかっていて、外国人観光客の往来で、ごったがえしていた。その橋の向こうには、社みたいな建物がたたずんでいる。ここは一体、何が有名なのか?分からなかったが、中に到着して、その理由が理解できた。要するに、ここは風光明媚な市民の憩いの場。誰でも自由に出入りできるらしい。土俵のような高台に「やぐら」が組んであり、そこでは、現地の人たちが将棋を指して楽しんでいた。目を遠くへやると、美しい湖が広がっている。なるほど、ここはバイクの騒音も聞こえないし、まさに、別天地だ。
僕たちは社の中へ足を運んだ。薄暗い部屋の奥には大仏ならぬ大きな仏像が安置されていた。手を合わせて通り過ぎると、その横には土産品店が。なんと、既に、のび太君が何かを物色している。さすがは貴公子。目が早いぜ。何かは知らねど、小さな物体を購入したよし。店内を見ているうち、例の折りたたみ式木製手鏡を見つけた。ところで、値段は?。安い。やったぜ。のび太君が、怪しげな夜店で買った同じ手鏡より、安価だった。僕の食指が動かないわけがない。5個購入。勝ったぜ・・・・・・。のび太君と競っても何の意味もないが僕、ジャイアンはにんまり。のび太君は苦笑い。
待合場所まで戻り、いよいよ最後の見学地へと足を運ぶ。現地で高い評価を受けているという「水上人形劇」を観劇することになる。場所が繁華街にあるため、通路は外国人客であふれていた。迷子にならぬよう案内人の指示に従った。各自に切符が渡され、座る場所が指定されていた。
ホールの中は一階の前部に小さなプールがあり、二階席の左手には、伴奏を行う音楽隊が5~6名、陣取っていた。観客席は段階式に椅子が並べられていた。恐らく数百名は入るだろう。僕たちにあてがわれた席は真ん中より後部の座席。いよいよ音楽の伴奏と共に、水上劇が始まった。
「劇」と言うからには、あらすじがあるのだろう。メニュー表にはそれらしきタイトルが項目別に書いてある。伴奏が鳴り出すと、左右の隙間から、滑稽な表情をした人形達が現れ、水中に潜ったり、とんぼ返りをしたり、なにやら演じている。その様がおもしろいのだ。最初は、この人形達の動作を操る仕組みが分からなくて興味津々だった。ただ、前列に座っている外国人観光客が、カメラをプールに向けて「ぱちぱち」とやり出した。これが観劇の妨げになるんだよなあーーー。僕たちは体を前後左右に振りながらの観劇だ。なんでも、特別料金を払った人は、観劇の撮影が許可されるとのこと。これはあんまりだぜ。
人形達の動作表現が何十種類あるのか知らないが、遠くからの観劇だったことと、今ひとつ、ストーリーが理解できなくて、だんだん退屈になってきた。
僕、ジャイアンは後半になると、半ば居眠り状態で、音楽の優しい調べだけが耳に響いた。中国風の情緒豊かな音楽を聞きに来たかと思う始末だ。ほぼ一時間程度の観劇だっただろうか?。劇が終わった。と、今まで気づかなかったが、プールを仕切っていた奥のカーテンが開き、5~6人の人形使い達が姿を現した。「なああんだ。そうだったのか?」と改めて、このからくりに気がついた。要するに、カーテンの後ろで、長い棒にくっつけた人形を操っていたわけだ。棒が見えないから、あたかも人形が一人で芝居をしているように見えたわけだ。
仕掛けの単純さに驚いたが、それを操る人たちの苦労は並大抵のことではないそうだ。寒い冬でも、冷たい水に腰までつかり、必死に人形を動かす。思わず、森昌子さんの歌、「越冬ツバメ」を思い出した。「・・・・・にうたれりゃ寒かろにーー、ヒュルリー、ヒュルリーララー」。あんまり関係ないか?。僕たちはコンサート帰りのような気分でホールを後にした。
あああーーーっ、僕たちの旅もこれで終わる。旅行社の最後のはからいが「フランス料理」での会食だ。これを食べたら、現地に残る数名を除いて、飛行場へと連行される手はずになっている。寂しくもあり、寂しくもなし。いや、やはり寂しい。ともあれ、まずはフランス料理に舌鼓を打つだけだ。
こぎれいな料理店の二階に案内された。久しぶりに見る真っ白なテーブルクロス。ナイフとフォークとスプーンとよだれかけ?が置いてある。僕たち5人とツアー客の男性一人が同席し、今や遅しと料理の出現を待った。と、その前に我々は特別注文を・・。もち、ドラえもん君がワインとビールを注文。おきまりのコースだ。メイドさんが一人一人にワインを注ぎ始めたが、「これじゃーーあばかんでー」と、メイドさんからボトルを受け取り、ドラえもん君が注ぎ始めた。「待ってました」と、僕たちはグラスを差し出し、乾杯・・・・。
ワインの香りが、旅の思い出を走馬燈のようによみがえらせた。
僕たちは社の中へ足を運んだ。薄暗い部屋の奥には大仏ならぬ大きな仏像が安置されていた。手を合わせて通り過ぎると、その横には土産品店が。なんと、既に、のび太君が何かを物色している。さすがは貴公子。目が早いぜ。何かは知らねど、小さな物体を購入したよし。店内を見ているうち、例の折りたたみ式木製手鏡を見つけた。ところで、値段は?。安い。やったぜ。のび太君が、怪しげな夜店で買った同じ手鏡より、安価だった。僕の食指が動かないわけがない。5個購入。勝ったぜ・・・・・・。のび太君と競っても何の意味もないが僕、ジャイアンはにんまり。のび太君は苦笑い。
待合場所まで戻り、いよいよ最後の見学地へと足を運ぶ。現地で高い評価を受けているという「水上人形劇」を観劇することになる。場所が繁華街にあるため、通路は外国人客であふれていた。迷子にならぬよう案内人の指示に従った。各自に切符が渡され、座る場所が指定されていた。
ホールの中は一階の前部に小さなプールがあり、二階席の左手には、伴奏を行う音楽隊が5~6名、陣取っていた。観客席は段階式に椅子が並べられていた。恐らく数百名は入るだろう。僕たちにあてがわれた席は真ん中より後部の座席。いよいよ音楽の伴奏と共に、水上劇が始まった。
「劇」と言うからには、あらすじがあるのだろう。メニュー表にはそれらしきタイトルが項目別に書いてある。伴奏が鳴り出すと、左右の隙間から、滑稽な表情をした人形達が現れ、水中に潜ったり、とんぼ返りをしたり、なにやら演じている。その様がおもしろいのだ。最初は、この人形達の動作を操る仕組みが分からなくて興味津々だった。ただ、前列に座っている外国人観光客が、カメラをプールに向けて「ぱちぱち」とやり出した。これが観劇の妨げになるんだよなあーーー。僕たちは体を前後左右に振りながらの観劇だ。なんでも、特別料金を払った人は、観劇の撮影が許可されるとのこと。これはあんまりだぜ。
人形達の動作表現が何十種類あるのか知らないが、遠くからの観劇だったことと、今ひとつ、ストーリーが理解できなくて、だんだん退屈になってきた。
僕、ジャイアンは後半になると、半ば居眠り状態で、音楽の優しい調べだけが耳に響いた。中国風の情緒豊かな音楽を聞きに来たかと思う始末だ。ほぼ一時間程度の観劇だっただろうか?。劇が終わった。と、今まで気づかなかったが、プールを仕切っていた奥のカーテンが開き、5~6人の人形使い達が姿を現した。「なああんだ。そうだったのか?」と改めて、このからくりに気がついた。要するに、カーテンの後ろで、長い棒にくっつけた人形を操っていたわけだ。棒が見えないから、あたかも人形が一人で芝居をしているように見えたわけだ。
仕掛けの単純さに驚いたが、それを操る人たちの苦労は並大抵のことではないそうだ。寒い冬でも、冷たい水に腰までつかり、必死に人形を動かす。思わず、森昌子さんの歌、「越冬ツバメ」を思い出した。「・・・・・にうたれりゃ寒かろにーー、ヒュルリー、ヒュルリーララー」。あんまり関係ないか?。僕たちはコンサート帰りのような気分でホールを後にした。
あああーーーっ、僕たちの旅もこれで終わる。旅行社の最後のはからいが「フランス料理」での会食だ。これを食べたら、現地に残る数名を除いて、飛行場へと連行される手はずになっている。寂しくもあり、寂しくもなし。いや、やはり寂しい。ともあれ、まずはフランス料理に舌鼓を打つだけだ。
こぎれいな料理店の二階に案内された。久しぶりに見る真っ白なテーブルクロス。ナイフとフォークとスプーンとよだれかけ?が置いてある。僕たち5人とツアー客の男性一人が同席し、今や遅しと料理の出現を待った。と、その前に我々は特別注文を・・。もち、ドラえもん君がワインとビールを注文。おきまりのコースだ。メイドさんが一人一人にワインを注ぎ始めたが、「これじゃーーあばかんでー」と、メイドさんからボトルを受け取り、ドラえもん君が注ぎ始めた。「待ってました」と、僕たちはグラスを差し出し、乾杯・・・・。
ワインの香りが、旅の思い出を走馬燈のようによみがえらせた。
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