五月最後の声を聞いた。嬉しくもあり、嬉しくもなし。一体、どっちなんだ?。両方ということになるか。五月の思い出を書いておこう。
嬉しかったこと。その一つは五月中旬までの長いトンネルを抜けて、やっと、広い大空へ飛び出せたことである。なんのことはない。急がしかった仕事と世間のしがらみから解放されて、自由という自由を取り戻した。しばらくは全てが自分の裁量で、もの・こと・が運べる。これにまされる喜びはないだろう。
今日は心地よい薄曇り。朝起きて、朝顔たちに、ごはんをやった。気の早い朝顔の一つが、青空と同じ色の花を咲かせていた。手で触れてみたいと思ったが、「しつれいにあたるか」と、止めた。
その後、何をするかと考える。先日来、弟と共に刈り取った雑草が枯れ始めた。すかさず僕は思ったことよ。この雑草を焼けば、黒こげの更地となる。雨が降れば、黒こげの黒が消えて、雑種地から宅地へと早変わり。なかなかおもしろい。宅地が増えた感じだ。客が来たら、そこへ車を止めるだろう。「広くてよござんすね」と客は思うだろう。これも、努力のたまものだぜ。
それでも、これもつかの間の現象だ。地下に強い生命力を持っている雑草は、「そのくらいじゃーー、まだ甘うござんす」と、またたくまに緑の絨毯を敷き詰める。「甘うござんす」で思い出したが、今年のサラリーマン川柳の一席がじつにすばらしい。「仕分け人、妻に比べりゃ、まだ甘い」。大笑いだ。かくして、僕は雑草に向かって、にんまりだ。「鉄は熱いうちに打て」という。すでに、そこを見込んで対策は練ってある。火炎放射器用、灯油は満タンだぜ。いつでも一網打尽だ。
もう一つ、嬉しかったこと。三つ下の弟と、あいまみれたことだ。母親を故郷に残し、次男・三男が再会。弟、遠方から来たり。楽しからずやである。何故か、弟の事を思うと、放っておけない。昔、僕がしがない貧乏学生だった頃、母親共々、仕送りやら、なにやら、助けてくれたことがある。兄弟のあいだで恩返しではないが、弟が困っていたら助けてあげるのが当然だ。
そんな弟も我が家へ来ると、じっとしているのが嫌いで、僕を差し置いて、雑草がりにいそしむ。「ゆっくりしといて」と言うが、「いいんだ。いいんだ」と言い、機械音をとどろかせる。僕も重い腰をあげて、弟につきあう。弟が教えてくれたが、棒のようなビニールの歯で刈るのが安全らしい。金属歯だと、石ころや、コンクリートに当たって、怖い音を発し。また、石ころがはねやすい。その点、ビニールの歯だと、コンクリートに当たっても平気。なるほど。機械が二台あるから、一つは金属歯。もう一つはビニール歯。これでいこう。決まりだ。弟が帰った後、僕はもっぱらビニール歯党になった。
さらにもう一つ、嬉しいことをあげておこう。五月中旬以降、しばら放ったらかしにしても良い仕事が舞い込んでくるということ。これが有り難いんだよなあーー。しばらくため込んで、一気にやろう。明日から六月。集中的にやるには丁度良い季節である。
嬉しくないことは、嬉しくないから記するのは止めておこう。いつか記することもあるだろう。
嬉しかったこと。その一つは五月中旬までの長いトンネルを抜けて、やっと、広い大空へ飛び出せたことである。なんのことはない。急がしかった仕事と世間のしがらみから解放されて、自由という自由を取り戻した。しばらくは全てが自分の裁量で、もの・こと・が運べる。これにまされる喜びはないだろう。
今日は心地よい薄曇り。朝起きて、朝顔たちに、ごはんをやった。気の早い朝顔の一つが、青空と同じ色の花を咲かせていた。手で触れてみたいと思ったが、「しつれいにあたるか」と、止めた。
その後、何をするかと考える。先日来、弟と共に刈り取った雑草が枯れ始めた。すかさず僕は思ったことよ。この雑草を焼けば、黒こげの更地となる。雨が降れば、黒こげの黒が消えて、雑種地から宅地へと早変わり。なかなかおもしろい。宅地が増えた感じだ。客が来たら、そこへ車を止めるだろう。「広くてよござんすね」と客は思うだろう。これも、努力のたまものだぜ。
それでも、これもつかの間の現象だ。地下に強い生命力を持っている雑草は、「そのくらいじゃーー、まだ甘うござんす」と、またたくまに緑の絨毯を敷き詰める。「甘うござんす」で思い出したが、今年のサラリーマン川柳の一席がじつにすばらしい。「仕分け人、妻に比べりゃ、まだ甘い」。大笑いだ。かくして、僕は雑草に向かって、にんまりだ。「鉄は熱いうちに打て」という。すでに、そこを見込んで対策は練ってある。火炎放射器用、灯油は満タンだぜ。いつでも一網打尽だ。
もう一つ、嬉しかったこと。三つ下の弟と、あいまみれたことだ。母親を故郷に残し、次男・三男が再会。弟、遠方から来たり。楽しからずやである。何故か、弟の事を思うと、放っておけない。昔、僕がしがない貧乏学生だった頃、母親共々、仕送りやら、なにやら、助けてくれたことがある。兄弟のあいだで恩返しではないが、弟が困っていたら助けてあげるのが当然だ。
そんな弟も我が家へ来ると、じっとしているのが嫌いで、僕を差し置いて、雑草がりにいそしむ。「ゆっくりしといて」と言うが、「いいんだ。いいんだ」と言い、機械音をとどろかせる。僕も重い腰をあげて、弟につきあう。弟が教えてくれたが、棒のようなビニールの歯で刈るのが安全らしい。金属歯だと、石ころや、コンクリートに当たって、怖い音を発し。また、石ころがはねやすい。その点、ビニールの歯だと、コンクリートに当たっても平気。なるほど。機械が二台あるから、一つは金属歯。もう一つはビニール歯。これでいこう。決まりだ。弟が帰った後、僕はもっぱらビニール歯党になった。
さらにもう一つ、嬉しいことをあげておこう。五月中旬以降、しばら放ったらかしにしても良い仕事が舞い込んでくるということ。これが有り難いんだよなあーー。しばらくため込んで、一気にやろう。明日から六月。集中的にやるには丁度良い季節である。
嬉しくないことは、嬉しくないから記するのは止めておこう。いつか記することもあるだろう。
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