やけに寒い日曜日だ。人一人っこ歩いていない。場所が場所だからなあーー。都会はいざ知らず、田舎は人も少ない。そう言えば今日はセンター試験で受験生たちは大変だったろう。手がかじかんで、まともに答案が書けたのだろうか?。僕も随分昔に受験した事があったが、「試験」と名のつくものは全くいやなものだ。

さてと、僕の旅日記もどこまで書いたっけ?。時の経過と共に記憶も薄れてくる。思い出し思い出し書いているので、結構、記憶違いと言うこともあるだろう。

そうそう、カニ御膳を食べて、車はさらに進んでいく。今日の目的地は知床ウトロ温泉地らしい。そこでウトロ、ウトロとするわけだ。その前に知床五胡を見学するようだ。紅葉もすっかり終わり、枯れ枝になった白樺や雑木林を左右に見ながら、うとうとしていると、突然、ガイドさんが「皆様、窓の外をご覧ください。野生のシカが、道ばたに出ていますよ」という。車内の客達は、「あっ、いる。いる」と、珍しいものを見たかのようにはしゃいだ。中高年の皆様はお元気だ。それもそうだろう。車ともすれ違わないし、人が歩いている姿もない。やっと、乗客以外の生き物に出会ったという喜びが胸にこみ上げてきたのだろう。それを知ってかしらずか、ガイドさんの声がさらに拍車を掛ける。「皆様、旅を終えて帰るまでに、20頭くらいは見かけないと駄目ですよ」と言う。「へーーー、そんなにシカが出没するの」と皆、驚きだ。最近はシカの生息数も増えているらしい。「食べたらうまいだろうなああーーー」とはネズミ男君の弁。この場では非常識か?。

のび太君とネズミ男君は、車内で、「あつ、あそこにもいる」と声がかかると、すかさず、カメラのシャッターを切っている。なんでも、角のある雄シカを見かけると縁起が良いそうだ。僕は残念ながらカメラに収めることが出来なかった。カメラが壊れていては(しか)たがない。彼らは、見事、雄シカをカメラに収めた由。めでたし。めでたしだ。

天気はあいにくの曇り空。車がとある広場に停車した。周りを見渡すと、木の橋が延々と続いている。この橋を渡りながら周りの景色や五胡のたたずまいを堪能するという趣向らしい。いや、確かに美しかった。真っ白いミルクをかけたような山々を背景に、僕たちは湿原の上に設けられたような橋をてくてくと歩いた。ガイドさんが、「このあたりにも熊やシカがいますよ」という。「へええ、そうなんだ」と注意深く当たりを見回しながら歩いた。

のび太君は例によって、あちこちに立ち止まり、カメラのシャッターを切っている。ネズミ男君は「我、一番乗り」と言わんばかりに、短い足を大股で足早に歩いでいる。僕、ジャイアンも、ネズミ男君に負けじと先を急いだ。実は、腹の調子が今ひとつ芳しくなく、ガスがやたらと出る。何を食ったせいなのか分からない。実まで出なくて幸いだ。そんなわけで、早くここを立ち去りたかったのが本音である。あああつ、早くホテルでウトロ、ウトロしたい。




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