五月の声を聞いた。セミはまだ鳴かない。忙しかった四月が嘘のようだ。誰ひとり来ない日曜日。のんびり出来るのは良いが、あまり暇だと、逆に寂しくなる。生来、何かをしていないと落ち着かない性分なんだろう。やはり、貧乏暇無しがいちばんいいか。
先月の29日、昭和の日には恒例のイベントを催した。50~60人がやってくるので、接待係のアルバイトを一人雇った。25才の美しい医学生だった。友人から紹介してもらった人だ。そのことを、ドラえもん君に話すと、「おれ、その人を見に来るよ」と言っていたが、本当にやってきた。「この人だよ」と言って紹介すると、「ぽーっ」と顔を赤らめて、そそくさと帰って行った。ちゃっかりしているぜ。明るい笑顔で、彼女の接待は好評だった。
イベントのあとの余興に、「琵琶の弾き語り」と言うことで、これまた20代後半の美しい女性を招いていた。学生時代から琵琶を勉強していたとのことで、今やプロとして日本全国を回り、演奏活動をしているそうだ。
縁とは不思議なものだ。この琵琶の先生は、のび太君の紹介である。彼女が琵琶の練習道場を建築したとき、のび太君が仕事の一部を請け負ったらしい。その縁で、一度、彼女の演奏を聴きに行ったことがあり、演奏のあと、食事会に誘い、一献傾けた。いやはや、琵琶の先生は滅法、酒が強いみたいで、ぐいぐいいくこと、お見事である。こちとらはへべれけ。その場で、イベントへでの演奏会を依頼していたわけだ。
琵琶の生演奏を聴く機会なんて、そうあるものではない。僕、ジャイアンは、彼女の簡単な紹介を述べた。「ええーーーっと、彼女はまだ30代前半の独身女性でありまして、当地に練習道場をこしらえ、云々・・・・・」とやり出したところ、彼女がすかさず、「私、まだ20代です」と、訂正させられた。いやああ、これは僕の大失態だ。そもそも女性の年齢を述べる必要はなかったわけだ。僕の本意は、ただすばらしい演奏家であることをいいたかっただけなんだが・・・・。会場から「どっつ」と笑いがこぼれたので、僕はすかさず、陳謝。
彼女は女子大生が卒業式などで着るような袴姿で、ギターをちょっぴり小さくしたような琵琶を抱きかかえ、椅子に座って演奏を始めた。演題は平家物語より、祇園精舎、ほかに西郷隆盛とか数曲を演奏した。「祇園精舎の鐘の音、ボヨ・ヨオーーーーン」。哀愁を帯びた琵琶の音色と彼女の語りに、来客者たちは、身じろぎもせずに、神妙な面持ちで聞き惚れていた。東日本の大震災で被災された方々への鎮魂の演奏にもなり、良かった。
何人もの人が、また聴きたいと言ってくれた。大成功だった。その余韻がいまだに僕の心に残っている。人生は紆余屈折だらけ。順風満帆なんて、しょっちゅうあるものではない。たとえ、いかなる境遇であれ、ただひたすら生き抜かねばならない。寂しさの中で、ふとそう思った。
先月の29日、昭和の日には恒例のイベントを催した。50~60人がやってくるので、接待係のアルバイトを一人雇った。25才の美しい医学生だった。友人から紹介してもらった人だ。そのことを、ドラえもん君に話すと、「おれ、その人を見に来るよ」と言っていたが、本当にやってきた。「この人だよ」と言って紹介すると、「ぽーっ」と顔を赤らめて、そそくさと帰って行った。ちゃっかりしているぜ。明るい笑顔で、彼女の接待は好評だった。
イベントのあとの余興に、「琵琶の弾き語り」と言うことで、これまた20代後半の美しい女性を招いていた。学生時代から琵琶を勉強していたとのことで、今やプロとして日本全国を回り、演奏活動をしているそうだ。
縁とは不思議なものだ。この琵琶の先生は、のび太君の紹介である。彼女が琵琶の練習道場を建築したとき、のび太君が仕事の一部を請け負ったらしい。その縁で、一度、彼女の演奏を聴きに行ったことがあり、演奏のあと、食事会に誘い、一献傾けた。いやはや、琵琶の先生は滅法、酒が強いみたいで、ぐいぐいいくこと、お見事である。こちとらはへべれけ。その場で、イベントへでの演奏会を依頼していたわけだ。
琵琶の生演奏を聴く機会なんて、そうあるものではない。僕、ジャイアンは、彼女の簡単な紹介を述べた。「ええーーーっと、彼女はまだ30代前半の独身女性でありまして、当地に練習道場をこしらえ、云々・・・・・」とやり出したところ、彼女がすかさず、「私、まだ20代です」と、訂正させられた。いやああ、これは僕の大失態だ。そもそも女性の年齢を述べる必要はなかったわけだ。僕の本意は、ただすばらしい演奏家であることをいいたかっただけなんだが・・・・。会場から「どっつ」と笑いがこぼれたので、僕はすかさず、陳謝。
彼女は女子大生が卒業式などで着るような袴姿で、ギターをちょっぴり小さくしたような琵琶を抱きかかえ、椅子に座って演奏を始めた。演題は平家物語より、祇園精舎、ほかに西郷隆盛とか数曲を演奏した。「祇園精舎の鐘の音、ボヨ・ヨオーーーーン」。哀愁を帯びた琵琶の音色と彼女の語りに、来客者たちは、身じろぎもせずに、神妙な面持ちで聞き惚れていた。東日本の大震災で被災された方々への鎮魂の演奏にもなり、良かった。
何人もの人が、また聴きたいと言ってくれた。大成功だった。その余韻がいまだに僕の心に残っている。人生は紆余屈折だらけ。順風満帆なんて、しょっちゅうあるものではない。たとえ、いかなる境遇であれ、ただひたすら生き抜かねばならない。寂しさの中で、ふとそう思った。
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