電車が音もなくスーーーーッと滑り込んできた。我々9人のメンバーは、早く車内へ乗り込みたい一心だった。なんと、ネズミ男君は、まだ降客がいるのに、その横から車内へ入り込もうとする。僕、ジャイアンがそれを制した。ここいらが、人間が出来ているジャイアンの証なんだよなあーーー。そうでもないか?。
とにかく、車内へ入った。案の上、空席は見当たらない。というより、一人がけの座席が、ちらほらあるのみ。団体で行く旅の時は、なんとなく他人の横には坐りたくないものだ。他のメンバーはあまりそういう事を気にしない様子。手当たり次第に空いている席に坐った。僕、ジャイアンとネズミ男君は、やっとの事で、奥まった場所に二人がけの空席を見つけた。やれやれだ。
余談であるが、僕の一人旅ならば、他人の横でも、やむなしと坐る。特に美女の横の席とあらば、{May i sit here?]と尋ね、「Yes, please]という返事を期待するだろう。かくして、一時の会話が始まり、恋の花が咲くことに
なるやも知れぬ。考え過ぎかあーーーー。あり得ないぜ。変なおじさんと警戒されるのが落ちだ。
ネズミ男君と二人がけの座席に座り、久々に見る車窓の風景を眺めた。ネズミ男君曰く。「ほら、見て!見て!。このあたりは、おいらが昔、働いとった場所の近くたい」と。彼はアパレル関係の商人をやっていたらしい。時々、「おいらは○○商人たい」と、懐かしげに語る。
その後、転職したが、働いている間、悲しい出来事もあったようだ。どこかで知り合い、好きになった女性が、彼の勤める卸店で、たいそうな買い物をしたらしい。月賦払いということで、約束したが、月末になっても一向にやってくる気配がない。彼は彼女のアパートを訪れたところ、な・な・なんと、もぬけの殻。連絡もつかず。「だまされたかあーー」と、彼が失意のどん底におちたことは言うまでもない。それ以来、女性恐怖症がつきまとっている。武田鉄矢を追い越した130回のお見合いも、うなずけるというものだ。最近は、そのことが彼の自慢話の一つになっているからおかしい。
おっと、話が脱線した。僕たちは事もなく終着駅に到着した。さああ、次は地下鉄だ。ガタゴトガタゴトと、皆、荷物を引きずりながら、黙々と乗り場へ急いだ。「切符を買ってください」と、のび太君が言う。僕たちはいわれるままに、販売機へ。おや、小銭がない。「タクシー代はジャイアンが出したから、ネズミ男君、君が僕の分まで買って」と言うと、彼は「よございますたい」と、一発返事。ほんの数十秒すると、電車がやってきた。僕たちは固く閉ざされた乗り口のゲートが開くのを、「いまや遅し」と待った。最近は危険防止のため、乗り口と、その横には転落防止用の塀があしらえてある。「さもありなん」と思った。車内は意外と空いていて、皆なんなく座れた。
それにしても、エアポートに到達するまで、時間がかかることよ。こんな時、ドラえもん君がいれば、「竹コプター」で、皆を運ぶんだが。それも不可能とあらば、とにかく行くしかない。
皆の顔はまだ緊張している。「ドクター」さんは、腕組みをして、じーーつと、前方を見つめている。「ニヒル君」と、「のっぺら君は」互いに横に坐り、目を閉じているようだ。「象さん夫妻」は、仲良く、なにやらしゃべっている。とにかく、「象さんの女房」は明るい性格のようで、ケラケラとよく笑う。「象さん」も、顔を引きつらせながら、あいずちを送っている。
さあ、まだ旅がスタートしたばかりだ。先を急ごう。
とにかく、車内へ入った。案の上、空席は見当たらない。というより、一人がけの座席が、ちらほらあるのみ。団体で行く旅の時は、なんとなく他人の横には坐りたくないものだ。他のメンバーはあまりそういう事を気にしない様子。手当たり次第に空いている席に坐った。僕、ジャイアンとネズミ男君は、やっとの事で、奥まった場所に二人がけの空席を見つけた。やれやれだ。
余談であるが、僕の一人旅ならば、他人の横でも、やむなしと坐る。特に美女の横の席とあらば、{May i sit here?]と尋ね、「Yes, please]という返事を期待するだろう。かくして、一時の会話が始まり、恋の花が咲くことに
なるやも知れぬ。考え過ぎかあーーーー。あり得ないぜ。変なおじさんと警戒されるのが落ちだ。
ネズミ男君と二人がけの座席に座り、久々に見る車窓の風景を眺めた。ネズミ男君曰く。「ほら、見て!見て!。このあたりは、おいらが昔、働いとった場所の近くたい」と。彼はアパレル関係の商人をやっていたらしい。時々、「おいらは○○商人たい」と、懐かしげに語る。
その後、転職したが、働いている間、悲しい出来事もあったようだ。どこかで知り合い、好きになった女性が、彼の勤める卸店で、たいそうな買い物をしたらしい。月賦払いということで、約束したが、月末になっても一向にやってくる気配がない。彼は彼女のアパートを訪れたところ、な・な・なんと、もぬけの殻。連絡もつかず。「だまされたかあーー」と、彼が失意のどん底におちたことは言うまでもない。それ以来、女性恐怖症がつきまとっている。武田鉄矢を追い越した130回のお見合いも、うなずけるというものだ。最近は、そのことが彼の自慢話の一つになっているからおかしい。
おっと、話が脱線した。僕たちは事もなく終着駅に到着した。さああ、次は地下鉄だ。ガタゴトガタゴトと、皆、荷物を引きずりながら、黙々と乗り場へ急いだ。「切符を買ってください」と、のび太君が言う。僕たちはいわれるままに、販売機へ。おや、小銭がない。「タクシー代はジャイアンが出したから、ネズミ男君、君が僕の分まで買って」と言うと、彼は「よございますたい」と、一発返事。ほんの数十秒すると、電車がやってきた。僕たちは固く閉ざされた乗り口のゲートが開くのを、「いまや遅し」と待った。最近は危険防止のため、乗り口と、その横には転落防止用の塀があしらえてある。「さもありなん」と思った。車内は意外と空いていて、皆なんなく座れた。
それにしても、エアポートに到達するまで、時間がかかることよ。こんな時、ドラえもん君がいれば、「竹コプター」で、皆を運ぶんだが。それも不可能とあらば、とにかく行くしかない。
皆の顔はまだ緊張している。「ドクター」さんは、腕組みをして、じーーつと、前方を見つめている。「ニヒル君」と、「のっぺら君は」互いに横に坐り、目を閉じているようだ。「象さん夫妻」は、仲良く、なにやらしゃべっている。とにかく、「象さんの女房」は明るい性格のようで、ケラケラとよく笑う。「象さん」も、顔を引きつらせながら、あいずちを送っている。
さあ、まだ旅がスタートしたばかりだ。先を急ごう。
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