バレンタインデーの夜(2)
2012年2月15日 日常 忘れないうちに、続きを書いておこう。僕たちは小料理屋「梓」を後にして、次の店へ向かった。画廊を経営しているママさんの店だ。入り口にはイルミネーションが施してあり、一階が画廊。二階がスナックになっている。ここに通い出したのは、ママさんが同郷と言うこともあり、気楽に足を運べるからだ。
ねずみ男君と僕は足取り軽く、二階の門をくぐった。ここでは靴を脱いで、中に入る。いつぞや、誰かが靴を間違えて帰り、とんだ災難に遭った。その経験から、出来るだけ古い靴を履くようにした。
部屋に入ると、時間が早いせいか、ママはまだ未到来。しずかちゃんと金魚ちゃんがいた。来るのを予想していたかのごとく、にっこり笑顔、目玉パチパチで迎えてくれた。
僕たちは、そく、「梓」でもらった焼酎の小瓶を取り出し開封した。お湯がそそがれ、小瓶から焼酎が、とくとくと流れた。乾杯して、グラスに口を当て、「ぐぐっ」と飲み込む。旨い。「もらい物は何でも旨いぜ」とは、ねずみ男君の弁。そうこうしていると、奥まった部屋から、しずかちゃんが、丁寧に包装してある四角い箱を持って現れた。「はい、チョコレートよ」と言って、僕たちに差し出した。ねずみ男君は、幾分か緊張したような面持ち。
僕はその時、「ちらっ」とねずみ男君の箱を見た。「まさか、僕のもらった物より大きくはないだろうなあーー?」と、いやしい根性が頭をもたげたからだ。悲しい性だぜ。でも大丈夫。寸部違わない箱がそこにあった。ほっと胸をなで下ろす。
まだ、誰も客は来ていない。僕たちは点数制のカラオケを所望。この店のは結構点数がからい。90点がでるのは滅多にない。いや、点数がからいと言うより、僕たちが下手なだけだろう。僕たちの目的は別にあった。88点、77点、66点等のぞろ目を出せば景品がもらえるのだ。
チョコレートをもらった上に、景品まで手に入れようとは、まさしく、さもしい根性だぜ。ねずみ男君が口火を切った。「時代遅れ」という曲。「一日二杯の酒を飲み・・・・」。彼の十八番の歌だ。な、な、な、なんと、85点。最初にしては、やるじゃん。僕も負けじと時節に相応しい「春なのに」を熱唱。「記念にください、ボタンを一つ・・」。僕はボタンを青空に向かって投げる様を左手で演じた。見事、71点。ワイ?何故?。77点にも届かじ。ねずみ男君の勝ち誇ったような目が、なんとも憎らしいが、まあこれが僕の実力なんだろう。
その後、「津軽海峡冬景色、いちご白書をもう一度」等を彼が熱唱。ほとんどが80点台。僕もあせり顔をみせながら、「風の盆恋歌、哀愁のカサブランカ」等を披露。相変わらず60点、70点台が続く。業を煮やした僕は、これが最後だぜとの思いで。英語バージョン「メリジェーン」を歌った。電光採点盤を食い入るように見つめると、77点がみえまーす。やったぜ^^。僕の顔がおもわずほころんだ。
しずかちゃんが、大きなかごに入った景品を持ってきた。僕は、すかさずねずみ男君に言ってやった。「君にあげるから、好きな物を選び給え」と。彼はにんまり笑いながら、Lサイズの黒のトランクスをゲットした。
気分を良くして、飲み直しているとき、ママと、十数名の団体客がやってきた。「こりゃあーー引き上げた方がよさそうだぜ」と、僕たちは店を後にした。
話はまだ続くが、ちょっと小休憩だ。
ねずみ男君と僕は足取り軽く、二階の門をくぐった。ここでは靴を脱いで、中に入る。いつぞや、誰かが靴を間違えて帰り、とんだ災難に遭った。その経験から、出来るだけ古い靴を履くようにした。
部屋に入ると、時間が早いせいか、ママはまだ未到来。しずかちゃんと金魚ちゃんがいた。来るのを予想していたかのごとく、にっこり笑顔、目玉パチパチで迎えてくれた。
僕たちは、そく、「梓」でもらった焼酎の小瓶を取り出し開封した。お湯がそそがれ、小瓶から焼酎が、とくとくと流れた。乾杯して、グラスに口を当て、「ぐぐっ」と飲み込む。旨い。「もらい物は何でも旨いぜ」とは、ねずみ男君の弁。そうこうしていると、奥まった部屋から、しずかちゃんが、丁寧に包装してある四角い箱を持って現れた。「はい、チョコレートよ」と言って、僕たちに差し出した。ねずみ男君は、幾分か緊張したような面持ち。
僕はその時、「ちらっ」とねずみ男君の箱を見た。「まさか、僕のもらった物より大きくはないだろうなあーー?」と、いやしい根性が頭をもたげたからだ。悲しい性だぜ。でも大丈夫。寸部違わない箱がそこにあった。ほっと胸をなで下ろす。
まだ、誰も客は来ていない。僕たちは点数制のカラオケを所望。この店のは結構点数がからい。90点がでるのは滅多にない。いや、点数がからいと言うより、僕たちが下手なだけだろう。僕たちの目的は別にあった。88点、77点、66点等のぞろ目を出せば景品がもらえるのだ。
チョコレートをもらった上に、景品まで手に入れようとは、まさしく、さもしい根性だぜ。ねずみ男君が口火を切った。「時代遅れ」という曲。「一日二杯の酒を飲み・・・・」。彼の十八番の歌だ。な、な、な、なんと、85点。最初にしては、やるじゃん。僕も負けじと時節に相応しい「春なのに」を熱唱。「記念にください、ボタンを一つ・・」。僕はボタンを青空に向かって投げる様を左手で演じた。見事、71点。ワイ?何故?。77点にも届かじ。ねずみ男君の勝ち誇ったような目が、なんとも憎らしいが、まあこれが僕の実力なんだろう。
その後、「津軽海峡冬景色、いちご白書をもう一度」等を彼が熱唱。ほとんどが80点台。僕もあせり顔をみせながら、「風の盆恋歌、哀愁のカサブランカ」等を披露。相変わらず60点、70点台が続く。業を煮やした僕は、これが最後だぜとの思いで。英語バージョン「メリジェーン」を歌った。電光採点盤を食い入るように見つめると、77点がみえまーす。やったぜ^^。僕の顔がおもわずほころんだ。
しずかちゃんが、大きなかごに入った景品を持ってきた。僕は、すかさずねずみ男君に言ってやった。「君にあげるから、好きな物を選び給え」と。彼はにんまり笑いながら、Lサイズの黒のトランクスをゲットした。
気分を良くして、飲み直しているとき、ママと、十数名の団体客がやってきた。「こりゃあーー引き上げた方がよさそうだぜ」と、僕たちは店を後にした。
話はまだ続くが、ちょっと小休憩だ。
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