しとしとと雨が降っている。台風も近づいている由。それでも、今日の雨は優しい雨。窓を開けて庭を眺めながら、あれこれと思いにふけった。午前中に一仕事を済ませる。書類を提出し成功裏に終了。幾ばくかの報酬請求権を獲得、気分が良い。

それはさておき、最近、某大学の先生(のりちゃん先生と言っておこう)と、懇親を重ねる機会が増えた。今週は既に連続三回(火・水・木)。彼とは十数年のつきあいになるが、ここ一、二年、ぷっつりと連絡が途絶えていた。要職にあり多忙を極めていたとのこと。又、体もそう強くはないようだ。思い出したように彼から、連日、誘いを受けている。山の神曰く。「あんたたち、おかしいんじゃないの?。よく話すことがあるわねえーーーー」と。うんんん、この辺が男と女の考え方の違いか?。

思い起こせば、彼と付き合い始めた頃、とある小料理屋で、よくだべり、よく飲んだものだ。そんなある日、ママと口論になった。ママも、彼も、僕も、偶然、同い年。同世代だから話も弾み、いつしか親しくなりすぎた。互いにわがままが出てきた。これがいけなかったのか?。「親しき仲にも礼儀あり」というが、礼儀を一歩踏み外して、僕たちはママ批判を始めた。これが、ママの逆鱗に触れ、僕たちは勘当されるという憂き目を味わった。もちろんママを批判するには、それなりの理由もあったわけだが、今述べても、水掛け論にしかなるまい。

「あんたたち、もう来んでいいよ」。「わかたよ。もう二度と来んから」と捨て台詞を残して僕たちは店を出た。それ以来、のりちゃん先生は一度も足を運んでいない。僕はどうかと言えば、数年後、「どうしているかなあーー」と思い、のれんをくぐった。この辺が僕の甘さか?。それでも、昔の事が嘘だったかのように、ママは僕を迎え入れてくれた。たた、会話は、ぎこちないものだったが。

その後、年に数回、足を運んだ。しばらくは順調にいっていたが、これまたある日、ママの気分を逆なでする事件が。僕の何気ない一言がママを憤慨させたようだ。かくして二回目の勘当を受く。僕にとっては「何故?,whyーーー?,
どうして?」と言いたいが、どうも、僕は人の気持ちを推し量ることが不得手なようだ。ばか正直もほどほどにせにゃーー。反省、反省だ。二回も勘当されて、僕は感動の極み。情けないぜ。

どんどん月日が流れた。行き場を失った僕は、その後、「梓」という小料理屋を友人に紹介された。今では、のりちゃん生との逢い引きの場となった。梓のママ曰く。「あなたたち、本当に仲が良いのねえーー」と。弁解するまでもないが、決して僕たちは「ほも達」ではない。要するに、気が合うのだろう。彼は単身赴任で、友人もそう多くはいないようだ。競争社会の中にあって、勝ち組となるには、それなりの成果を出さなくてはならない。先生という仕事も、ストレスがたまる職業だ。

その点、能天気で風来坊。おっちょこちょいで単細胞の僕との付き合いは、気が休まる存在なのだろう。会えば決まって、昔の勘当事件に話が及び。お互いを喧々がくがくと責め合う。のりちゃん先生曰く。「そこまで言うの。もう君とは飲めないなあー」。僕曰く。「こっちこそだぜ」。梓のママは、にっこり笑いながら、「あいかわらず、仲がいいのねーーーーー」と。

まあ、そんなわけで、来週も、恐らく、のりちゃん先生から誘いの声がかかるだろう。ところで、最初の小料理屋には、性懲りも無く、年に一、二回、足を運んでいるが、まだ三回目の勘当なし。暖簾をくぐると、「あら、いらつしゃい」と、いつもの表情。女心は分からないぜ。僕の心は如何に?。「もてた昔の時代をもう一度」とでも思っているのだろうか?。「ヤナギの下にはいつもどじょうはいない」。


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