秘境への旅。その1。
2012年6月23日 日常
老若男児、総勢10名。一泊二日の旅が始まった。最年長86歳、最年少38歳。みな、仕事仲間たちである。毎年1回、催されているが、近場はほとんど行ったところばかり。てなわけで、今回はさる秘境の地を訪れることになった。
行きは雨。雨足が強い。30名近く乗れるマイクロバスに、めいめいワンシートに着座。後部座席は5‐6名座れるボックスになっている。ボックスに4名が陣取った。話好きの仲間たちだ。男の添乗員さんが同乗した。運転手さんの居眠り防止のためには必須である。
とあるデイリーストアーで、お茶、缶ビール、酒、焼酎、ワイン、つまみ等をしこたま購入。わいわい言いながら飲んでいくのは楽しいものだ。長老は酒。僕はワイン。他の者はビールや焼酎を飲んで気勢をあげること常のごとし。
車は高速を降りて、一路、山のほうへ進んでいく。最初のころは道幅も広く、快適だったが、だんだん道幅が狭くなり、車の離合ができなくなった。めったに対向車が来ないからよかったものの、山道はS字カーブのオンパレード。右手のほうをご覧ください。断崖絶壁です。雲海が立ち込め、その下には深い谷が・・・・。おおおっ怖い。仲間たちはカーブを曲がるたびに「わおーーーつ」と絶叫する。左手のほうを見れば。土砂崩れ防止のコンクリートやネットが張られている。雨で緩んだ地盤が崩れれば、僕たちは昇天すること間違いなし。
アルコールがいつの間にか抜け、僕たちの顔は真っ青。よりによって最悪のコンディションだ。「幾山川超え去りゆかば、さびしさのはてなん国ぞ、今日も旅ゆく」。そんな悠長なことを考えている場合ではない。目的地まであと数キロのところまでやってきた。「早く車を降りたい」と目をつぶって耐えた。
やがて、案内小屋みたいな建物があり、その横に車が留まった。雨足は相変わらず強い。添乗員さんが小屋に向かい、傘を数本借りてきた。目的地までは歩いて行かねばならない。木の門があり、そこをくぐって上へ向かった。だだっ広いところに、古民家風の建物が数棟建っていた。
ここだ。ここが平家の里。人を容易に寄せ付けない神秘の里。かや葺の民家が雨に打たれて、幽玄な雰囲気を醸し出している。人はまったく見かけない。それもそうだろう。コンディションが悪い、こんな日に、命がけでここを訪れる人は、まずいないだろう。奇人変人の我々ぐらいのものだ。まあ、当初からの計画だから仕方あるまい。
ただ、僕の想像していた世界とはちょっと違っていた。古民家から黒髪をふり乱した雪女のごとき美しい女性が、「いらっしゃーーーーーーい」と、手招きしながら出迎えてくれるかと思っていたが、さにあらず。誰も来ない。雨を避けて飛び込んだ一軒の食堂に、山姥風(おっと、失礼か?)の痩せた老女と、その娘らしき、小太りの女性がいた。にっこり笑いながら部屋へ案内された。まあ、なにはともあれ笑顔が一番だ。昼間では幽霊もでまい。
ここでの昼食。僕たちは、そばとヤマメの塩焼きを食した。そばは麺が太く、こしがあり、実においしかった。食事を済ませ、平家一門の盛衰を記した館に赴き、展示品を見た。「平家にあらずば人に非ず」と繁栄を極めた姿がまざまざと描かれていた。驕れるもの久しからず。まさに、平家の里は落人の隠れ場。日本の未来を象徴しているようだ。
自然現象が僕たち数名を呼んでいた。女将に尋ねると、外のちょっと離れたところにあるという。やむなく、僕たちは大きな立木の根元に放物線を描くことにした。雨と混合し、良き肥料になるやもしれぬ。功徳を施したと思えば罰も当たるまい。
一時間ばかりとどまり、山を下ることになった。行きは怖い怖い。帰りも怖い怖いだ。S字カーブに奇声をあげながら、次の目的地へ。「えーーーーっと、どこだったっけ?」。そうか。吊り橋を何か所か眺めるんだったっけ。こんな悪天候では吊り橋は渡れない。バスから眺めただけだ。とにもかくも、今日は早くホテルへたどり着きたい心境。
行きは雨。雨足が強い。30名近く乗れるマイクロバスに、めいめいワンシートに着座。後部座席は5‐6名座れるボックスになっている。ボックスに4名が陣取った。話好きの仲間たちだ。男の添乗員さんが同乗した。運転手さんの居眠り防止のためには必須である。
とあるデイリーストアーで、お茶、缶ビール、酒、焼酎、ワイン、つまみ等をしこたま購入。わいわい言いながら飲んでいくのは楽しいものだ。長老は酒。僕はワイン。他の者はビールや焼酎を飲んで気勢をあげること常のごとし。
車は高速を降りて、一路、山のほうへ進んでいく。最初のころは道幅も広く、快適だったが、だんだん道幅が狭くなり、車の離合ができなくなった。めったに対向車が来ないからよかったものの、山道はS字カーブのオンパレード。右手のほうをご覧ください。断崖絶壁です。雲海が立ち込め、その下には深い谷が・・・・。おおおっ怖い。仲間たちはカーブを曲がるたびに「わおーーーつ」と絶叫する。左手のほうを見れば。土砂崩れ防止のコンクリートやネットが張られている。雨で緩んだ地盤が崩れれば、僕たちは昇天すること間違いなし。
アルコールがいつの間にか抜け、僕たちの顔は真っ青。よりによって最悪のコンディションだ。「幾山川超え去りゆかば、さびしさのはてなん国ぞ、今日も旅ゆく」。そんな悠長なことを考えている場合ではない。目的地まであと数キロのところまでやってきた。「早く車を降りたい」と目をつぶって耐えた。
やがて、案内小屋みたいな建物があり、その横に車が留まった。雨足は相変わらず強い。添乗員さんが小屋に向かい、傘を数本借りてきた。目的地までは歩いて行かねばならない。木の門があり、そこをくぐって上へ向かった。だだっ広いところに、古民家風の建物が数棟建っていた。
ここだ。ここが平家の里。人を容易に寄せ付けない神秘の里。かや葺の民家が雨に打たれて、幽玄な雰囲気を醸し出している。人はまったく見かけない。それもそうだろう。コンディションが悪い、こんな日に、命がけでここを訪れる人は、まずいないだろう。奇人変人の我々ぐらいのものだ。まあ、当初からの計画だから仕方あるまい。
ただ、僕の想像していた世界とはちょっと違っていた。古民家から黒髪をふり乱した雪女のごとき美しい女性が、「いらっしゃーーーーーーい」と、手招きしながら出迎えてくれるかと思っていたが、さにあらず。誰も来ない。雨を避けて飛び込んだ一軒の食堂に、山姥風(おっと、失礼か?)の痩せた老女と、その娘らしき、小太りの女性がいた。にっこり笑いながら部屋へ案内された。まあ、なにはともあれ笑顔が一番だ。昼間では幽霊もでまい。
ここでの昼食。僕たちは、そばとヤマメの塩焼きを食した。そばは麺が太く、こしがあり、実においしかった。食事を済ませ、平家一門の盛衰を記した館に赴き、展示品を見た。「平家にあらずば人に非ず」と繁栄を極めた姿がまざまざと描かれていた。驕れるもの久しからず。まさに、平家の里は落人の隠れ場。日本の未来を象徴しているようだ。
自然現象が僕たち数名を呼んでいた。女将に尋ねると、外のちょっと離れたところにあるという。やむなく、僕たちは大きな立木の根元に放物線を描くことにした。雨と混合し、良き肥料になるやもしれぬ。功徳を施したと思えば罰も当たるまい。
一時間ばかりとどまり、山を下ることになった。行きは怖い怖い。帰りも怖い怖いだ。S字カーブに奇声をあげながら、次の目的地へ。「えーーーーっと、どこだったっけ?」。そうか。吊り橋を何か所か眺めるんだったっけ。こんな悪天候では吊り橋は渡れない。バスから眺めただけだ。とにもかくも、今日は早くホテルへたどり着きたい心境。
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