時はどんどん過ぎていくのに、僕の時は止まったままだ。旅、二日目の先を急ごう。そうそう、書き忘れていたことがある。買い物以外にもう1か所、立ち寄った所がある。海辺にある公園だ、名前は忘れた。この公園の近くに初老の夫婦が子供のころ住んでいたようだ。案内人が気を利かして、この公園の説明を初老の夫婦に任せた。
「この公園も昔と随分、変わってしまいました。それでも、砂浜だけは昔のままです。よく泳ぎに来ました。近くの小学校に3年生までいました。その後、日本に引き上げました。云々・・・・・・・」。老夫婦は涙ぐんでいた。僕たちメンバーは一斉に拍手を送った。泣かせるぜえーーー。「故郷の山に向かいて、言うことなし。故郷はありがたきかな」。
公園の道端に、土産品店があった。タコの干しものを売っていた。今宵のつまみにどうかしらん」と、店内にいた女将の勧めるままに、味見をしてみた。「珍味だぜーーー」と、ねずみ男君が言う。まさにしかり。女将の顔を見た。実に美人だ。僕、ジャイアンは二袋を女将に手渡し、「美しい方ですね」と言うと、「おつほほほーーー」と顔を赤らめ嬉しそうに、そばにいた店員に微笑んでいた。「こりゃあーー、少しまかるかなあーー」と思ったが、さにあらず。残念だあー。柳の下にいつも、どじょうはいないか?。まあ、美人の顔を拝めただけでも、良しとしなくちゃーーー。
夕食の時間がやってきた。車はとあるレストランの前で止まった。定番の丸テーブル。このスタイルにも少々飽きてきたが、仕方がない。例によってビールを飲む。やはり、日本のビールが一番うまい。ここは異郷の地だ。郷に入っては郷に従えだ。文句も言えないか。なにはともあれ、のび太君がカメラのシャッターを押したことは言うまでもない。
さてと、今宵は雑技団の演技を鑑賞するオプションが組まれていた。参加したのは我々5人のメンバーだけだ。ほかのメンバー達は疲れていたと見える。お寝んねタイムか?。疲れを知らないのは、我々、田舎者、とっちゃん坊屋たちである。案内人さんに連れられて、劇場の門をくぐった。真っ先に目に留まったのは、美しい衣服をまとった、美女たちが演技をしているポスター。「こりゃーー期待がもてるぜ」と、皆、にんまり顔。演技場内の前列に陣取った。周りを見渡すと、客は三分の一程度。「ありゃー」と、少々、気抜けした。
出し物が順を追って進んでいく。過去、何回か見たものと、さほど違わない。軟体人間。包丁人間。カンフー人間。フラフープのお姉さんの演技。見事だ。だが、しかし、ばっと、ある演技が始まったとき、ハプニングが起きた。「えええつ、なんで、わーーーい」。続きは次回に述べよう。
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