とっちゃん坊や5人衆の旅(11)  
とっちゃん坊や5人衆の旅(11)  
旅、二日目後半だ。もっと、いろんな所を見てきたように思うが、なにせ、寺院と宮殿みたいな所ばかり。現地係員さんの話を聞いてはいるが、メモするまでには至っていない。従って頭の中は混線している。カメラを撮ることだけに専念。とっちゃん坊や達は、そこだけにしか几帳面さがないのだ。この日記も写真と、ジャイアンの記憶だけが頼りである。

書き落とした所を記しておこう。アユタヤの手前にパンパイン宮殿があった。タイ王室の離宮らしい。それはそれは豪華な豪華な建物だ。庭には、刈り込んだ直物でこしらえた象さんが、立ち並んでいた。「ぞうぞ、こちらへ」と言っているようだ。象はタイ王国、タイ国民の象徴であり、切っても切れない関係。おそらく、この宮殿築造にも、「ぞうぶんな」働きをしたことだろう。

監視員がいる仏間みたいなところに案内された。とっちゃん坊達は、「ハット」を、ハッと取り、スキンヘッド丸出しで中へ進んだ。監視員が「にこっ」と笑い、視線を我らのヘッドに向けた。歓迎のあいさつか?。薄気味悪いぜ・・・。

同行者の3人のお嬢さん達は仏間らしき広間の正面に正座して、緊張した面持ちで写真に収まっていた。ここだけが写真撮影が許されたのだ。あたかも、おひな様のごとし。ネズミ男君の目が、ぎんぎらぎんと輝いていた。一回りして、早々にここを退散した。

まだあちこち行ったように思うが、記憶が前後している。バンコクに話を戻そう。そうそう、同行者5人を彼らのホテルの前で下ろし、我々は、すぐにはホテルに行かなかった。ホテルへ行く前に、本格的タイマッサージを体験すべく、現地係員さんへお願いしたからだ。ジャイアンの提案だが、メンバー達に異論なし。彼らも興味津々である。

渋滞する町中を、車は器用に進んで行く。やっと、とある街角の一角に停車。歩いて数分の所にマッサージ店があった。中に入ると、なんと、既に先客が数名、椅子に腰掛けて待機中だ。よく見ると、日本人の、じっちゃん、ばっちゃん達だ。「へえーーー彼らも、マッサージするんだ」と、一瞬びっくり。

我々は、とりあえず30分程度、違う場所で待たねばならなかった。現地係員さんが、「近くにブランドショップがありますよ」と言う。とりあえず行ってみることに。奥まった隠し部屋に、商品があった。とっちゃん坊や達には興味のないものばかり。早々に退出した。店舗の前に茶飲み場があった。そこで腰掛けて待つことにした。

なんと、そこにも売り物らしい小物が置いてある。何となく手にとって箱の中をのぞくと、面白い物が入っていた。万年筆を大きくしたような、ペンライトだ。スイッチを押すと、色彩豊かなネオンライトに早変わり。要するに万華鏡をライトにしたような物。のび太君の食指が動いた。「はい、2本購入、ありがとうございます。200バーツです」。娘へのお土産らしい。

僕、ジャイアンも1本購入した。目的は如何?。ネズミ男君のためにである。何となれば、スナック等でカラオケを歌うときに必要だからだ。コンサートで、よく若い女性が席を立ち、キャンドルみたいな物を掲げ、横に振っている姿を見かける。ネズミ男君の場合は、それがライターなのだ。ライターを灯し、手を上げて左右に振る。結構、客の笑いを誘う。

そのことを思い出し、この万華鏡風ペンライトの購入を思いついたわけだ。カラオケを歌うとき、このペンライトを渡せば、それはそれは歌も映えるというもの。小憎らしいことに、「そのペンライト、おいらに預けてよ」という。「何、言ってんの」と、ジャイアンはそれを拒んだ。永久に戻ってこない気がするからだ。

ここでビールを買い、飲みながら、いまや遅しと、我らの番を待った。

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