身も軽く、とっちゃん坊や達は、ホテルを目指した。ホテル内のことは既に文章が前後して記しているので、おおまかに述べる。3人部屋が1503号室、2人部屋が1509号室。のび太君、ネズミ男君、ジャイアンの3名と、ドラえもん君、夜泣き爺さん2名の組み合わせとなった。いつものパターンだ。

3名組はベッド争奪戦をじゃんけんで行い、ジャイアンが敗戦の涙を飲む。お子ちゃま用シングルベッドがジャイアンを待っていた。泣けるぜー。

午後6時半に、現地係員さんが、同行者の5名を乗せて、我々のホテルまで来るという。2日目、夜のディナーへ行く事になっている。なんと、出し物は「蟹カレー付きタイシーフード」と銘打ってある。そろそろバイキングにも飽きていたので、とっちゃん坊や達は大喜びだ。

「今や遅し」とホテルロビーで待機していた。一向に車が来ない。30分を過ぎた。「車が混んでいるんだろう」と思った。1時間が過ぎた。まだ来ない。何かあったんだろうか?。そのとき、夜泣き爺さんを呼び出すフロントの声が。「ええつ、なんでまた、夜泣き爺さんなの?」。皆、いぶかしがった。リーダー、のび太君が「僕が出てみよう。きっと、係員さんからだ」と言い、フロントへ向かった。

のび太君が戻ってきた。「係員さんから、後30分待ってくれ」との伝達。理由は言わなかったらしいが、何かあったのかも知れない。僕たちは、しびれを切らしながら待った。

待ちながら考えた。「なぜ、リーダー、のび太君ではなく、夜泣き爺さんが電話で指名されたのか?」と。考えられる理由は、夜泣き爺さんが長老であり、それなりの分別を持っていると判断されたのだろう。確かに、とっちゃん坊や達の不平不満を押さえるにはそれが一番か?。これも兵法の一つか?。

だが、しかし、ばっと、やはり、リーダー、のび太君を指名するのが正当な道だろう。そのためのリーダーであり信頼もある。姑息な手段は道を誤ることも多い。もともと、とっちゃん坊や達は、田舎者のふうけもんだ。何があろうと、意に介せず、暴れ出すこともない。相手にはそれが分からないから厄介だ。

1時間半を過ぎて、やっと係員さんが迎えに来た。やれやれだぜ。車に乗ると、同行者が既に乗っていた。「ありゃーーー、三人娘達がいない」と、ドラえもん君が言う。よく見ると確かにそうだ。上司らしき男、二人がまじめな顔をして乗っていた。話を聞いてみると、彼女たちの内、二人が体調を崩したとのこと。大事を取って、ホテルで休んでいるとのことだ。

旅に出ると、往々にして、体調を崩すことがある。ネズミ男君が「おいらも、経験済みよ。そりゃあーーもう、歩く便器と言われたぜ。日本に帰ってからも一週間ぐらい体調が悪かった」と言う。どおりで、彼はいつも、正露丸とキャベジンを持っている。僕ジャイアンもその恩恵にあずかっているせいか、すこぶる快調だ。彼女たちは重病ではないとの事で、一応安心した。

ネズミ男君は寂しそうな顔をしていたが、やむを得ない。車は、7人を乗せて、蟹なんとかの、シーフード店へ向かっていそいだ 。




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