とっちゃん坊や5人衆の旅 (19)
2013年2月10日 日常今、我々が来ている寺は、ワットアルン(暁の寺)と言い、なんでも、三島由紀夫の小説の舞台となった所らしい。夕日に照らされ、湖面に浮かんでいる様に見えるこの寺院は、よほど美しいに違いない。タイが誇りとする寺の一つだろう。
そういう事もいざ知らず、とっちゃん坊や達は、無造作に中を見て回った。ここには5つの仏塔があるらしい。建築様式も他の寺院と違い、特別のようだ。素人の我々には、どおーーーれも同じように見える。ただ、壁面が陶磁器の破片を貼り付けて出来ていたのが珍しかった。
中央の大仏塔には、階段があった。上の方まで登れるようになっている。そこから見る風景は絶景だそうな。登り口の階段を見た。「ギャオーーーーッ」。上へ行くにつれ階段が急勾配だ。最上段の方は、あわや90度に近い。もちろん階段の横には手すりがある。そこに手をかけて登れば、なんとか行けそうだ。
ネズミ男君が、「おいら山登りをしてきたから、これくらいの勾配は、なんでもない」と言い、先陣を切って上り始めた。ドラえもん君と夜泣き爺さんは腕を組み思案中。結局、身の危険を感じ、登るのを断念したようだ。
のび太君と、ジャイアンはネズミ男君に続いた。二人の同行男性も上ったようだ。さすが、ネズミ男君だ。サルが木に登るように、すいすいと上っていく。僕たちは、息を弾ませながら、そろり、そろりだ。年配のご婦人達も、恐れを知らず、果敢にトライしていた。いやああ、女は強し。改めて実感だ。
やっと、最上階の踊り場に到着だ。塔を一周しながら風景を見た。美しい眺めだ。40~50メートルは上って来ただろうか?。ドラえもん君達が小さく見えた。のび太君や、ネズミ男君がカメラのシャッターを切ったことは言うまでもない。
さああ、次は、いよいよ下りだ。ネズミ男君、のび太君、ジャイアンの順に下った。最初の第一歩が怖い。命手綱をしっかと掴み、足を無事にコンクリート面に下ろせば、後はその繰り返しだ。それでも怖い。
降りていく途中、気分が悪そうに、危ない足取りで下っている一人の中年女性に目が止まった。日本人ではなさそうだ。この階段は登りよりも下りが厳しいのだ。ジャイアンはすかさず彼女の所へ行き、「大丈夫ですか?」と、右腕を支え、一緒に、ゆっくり、ゆっくり下った。無事に最後の一歩を下ったところで、彼女はいかにも、「ありがたかった」と言わんばかりに、満面の笑みを僕に浮かべた。僕ジャイアンは、「ノー、プロブレム」と言い、彼女を抱きしめようと思ったが、「あまりに大げさか?」と、思いとどまった。
この様子の一部始終を見ていた、とつちゃん坊や達が、「あんた、なにか、やましい事、したんじゃない?」と、笑いながら言う。なんという下劣な発想だ。僕は憤慨しながら、「人命救助だぜ」と言ってのけた。ジャイアンの心は「いいことをした」という気持ちで満たされていた。こういう行動こそ、仏様の教えではないか?。
とっちゃん坊や達の旅には、いつもアバンチュールがついて回る。だから楽しいのだ。出入り口付近に来た。雑貨類の小売店で水のボトルを買う。シャツは汗、びっしょりだ。時間までそこで待つことに。やがて、7名が全員そろった。再び船にゆられて、最初の乗り場に戻った。
続いて、もう一ケ寺、行くらしい。
そういう事もいざ知らず、とっちゃん坊や達は、無造作に中を見て回った。ここには5つの仏塔があるらしい。建築様式も他の寺院と違い、特別のようだ。素人の我々には、どおーーーれも同じように見える。ただ、壁面が陶磁器の破片を貼り付けて出来ていたのが珍しかった。
中央の大仏塔には、階段があった。上の方まで登れるようになっている。そこから見る風景は絶景だそうな。登り口の階段を見た。「ギャオーーーーッ」。上へ行くにつれ階段が急勾配だ。最上段の方は、あわや90度に近い。もちろん階段の横には手すりがある。そこに手をかけて登れば、なんとか行けそうだ。
ネズミ男君が、「おいら山登りをしてきたから、これくらいの勾配は、なんでもない」と言い、先陣を切って上り始めた。ドラえもん君と夜泣き爺さんは腕を組み思案中。結局、身の危険を感じ、登るのを断念したようだ。
のび太君と、ジャイアンはネズミ男君に続いた。二人の同行男性も上ったようだ。さすが、ネズミ男君だ。サルが木に登るように、すいすいと上っていく。僕たちは、息を弾ませながら、そろり、そろりだ。年配のご婦人達も、恐れを知らず、果敢にトライしていた。いやああ、女は強し。改めて実感だ。
やっと、最上階の踊り場に到着だ。塔を一周しながら風景を見た。美しい眺めだ。40~50メートルは上って来ただろうか?。ドラえもん君達が小さく見えた。のび太君や、ネズミ男君がカメラのシャッターを切ったことは言うまでもない。
さああ、次は、いよいよ下りだ。ネズミ男君、のび太君、ジャイアンの順に下った。最初の第一歩が怖い。命手綱をしっかと掴み、足を無事にコンクリート面に下ろせば、後はその繰り返しだ。それでも怖い。
降りていく途中、気分が悪そうに、危ない足取りで下っている一人の中年女性に目が止まった。日本人ではなさそうだ。この階段は登りよりも下りが厳しいのだ。ジャイアンはすかさず彼女の所へ行き、「大丈夫ですか?」と、右腕を支え、一緒に、ゆっくり、ゆっくり下った。無事に最後の一歩を下ったところで、彼女はいかにも、「ありがたかった」と言わんばかりに、満面の笑みを僕に浮かべた。僕ジャイアンは、「ノー、プロブレム」と言い、彼女を抱きしめようと思ったが、「あまりに大げさか?」と、思いとどまった。
この様子の一部始終を見ていた、とつちゃん坊や達が、「あんた、なにか、やましい事、したんじゃない?」と、笑いながら言う。なんという下劣な発想だ。僕は憤慨しながら、「人命救助だぜ」と言ってのけた。ジャイアンの心は「いいことをした」という気持ちで満たされていた。こういう行動こそ、仏様の教えではないか?。
とっちゃん坊や達の旅には、いつもアバンチュールがついて回る。だから楽しいのだ。出入り口付近に来た。雑貨類の小売店で水のボトルを買う。シャツは汗、びっしょりだ。時間までそこで待つことに。やがて、7名が全員そろった。再び船にゆられて、最初の乗り場に戻った。
続いて、もう一ケ寺、行くらしい。
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