とっちゃん坊や5人衆の旅 (23)  
とっちゃん坊や5人衆の旅 (23)  
とっちゃん坊や5人衆の旅 (23)  
ベッドの獲得戦も終わったことだし、我々3人衆はフロントロビーに降りた。既に、ドラえもん君と夜泣き爺さんは、ロビー椅子に腰掛けていた。待つこと30分。最後のお勤めとなる現地係員さんが迎えにやってきた。車には真面目、堅物の同行男性2人が乗っていた。3人娘達は、今宵も欠席。療養に専念しているのだろう。一緒に食事を囲みたかったが残念である。

「昨日のタイ式マッサージはどうだった?」と、のび太君が同行男性達に聞くと、照れ笑いしながら、「よかった」と言う。そうだろう。ジャイアンは、いまだ関節が伸び伸びとして楽だ。願わくば、のび太君が言う、「正式、本格的、正統のタイマッサージ」とやらを経験してみたかったが、これも残念である。

バスは例によって、ごった返す車の波をぬって、とあるレストランの前に停車した。階段をあがり、2階の丸テーブルへ案内された。丸テーブルは初めてだ。チャイナ方式のレストランだろう。真ん中に、「しゃぶしゃぶ用」鍋をのせるコンロが設置してあった。程なく、ウエイトレスさんがやってきて注文を聞いた。

今宵が最後だ。ドラえもん君が「紹興酒はある?」と、聞いた。言葉が通じない。係員さんが通訳して、なんと、置いてあるそうだ。ボトル1本を頼むことになった。ビール飲みに明け暮れた今度の旅。とっちゃん坊や達は舌なめずりだ。
もちろん、ビールを頼んだことは言うまでもない。今まで、別テーブルだった同行者の男性2二も、同じテーブルに陣取った。

ウエイトレスさん数名が、鍋やら具を運んできた。お湯が沸騰し、具を鍋に入れ始めた。野菜あり、肉らしきものあり、はるさめみたいな物あり、団子みたいなものあり。「おい、おい、こりゃあーー、しゃぶしゃぶじゃないぜ。水炊きみたいなもんだ」と、夜泣き爺さんが言う。まさに、日本で言うしゃぶしゃぶとは違う。うんんん、今更、ほざいても仕方がないか。

ウエイトレスさんが懇切丁寧に各人の小鉢に盛りつけてくれた。なるほど、鍋となれば早い者勝ちで、遅れを取った者には具が行き渡らないからなあーーー。程なく、あっためた紹興酒、登場。うまーーーい。瞬く間にボトルが空だ。続いてビールで、のどを潤した。しゃぶしゃぶもどき具は、それなりに美味ではあった。各人、2杯ずつおかわりした。ほぼ、食べ尽くし夕食は終了。割り勘だ。なんでも、タイは割り勘が主流で、食べ散らかした皿等はそのままで良いらしい。日本みたいに、寄せて片づける必要はないと言う。そうだよなあーー。ケースバイケースと思うが、彼女らの仕事を奪ってはいけないだろう。

帰り際、「手伝ってくれたウエイトレスさんにチップを」と、とっちゃん坊や達を見回せど、皆、「我、存ぜず」といったそぶり。情けないぜ。僕、ジャイアンは、財布から20バーツ(60円)ずつ、2人のウエイトレスさんに、「コップン・カップ」と言って手渡した。彼女たちはたいそう喜んでくれた。

そこまでは良かったが、近くにいたもう1人のウエイトレスさんが飛んできて、「私にも」と、僕の前に立った。財布を見たが、バーツがない。仕方なく、日本円の千円札1枚を彼女にあげた。千円札といえば300バーツだ。その価値を知っているか?知らないかは分からないが、彼女は目を白黒させながら、係員さんの所へ走って行った。係員さんは、「もらっとけば」と言ったのかも知れない。おつりはなかった。まあ、いいか。

店の外へ出ると、なにやら若い女の子達が手かごを持ち、笑顔を見せながら、我々に、おもちゃみたいな小物類を差し出すではないか?。お土産に買って欲しいのだろう。のび太君はすかさず、カメラのシャッターを切った。残念ながら購入に至らず。僕、ジャイアンは購入の気持ちはあったが、いかんせん、バーツがない。這々の体で、そこを引き上げた。

さあ、しゃぶしゃぶもどき夕食が終わった。後はホテルに戻り、恐怖の一夜を過ごすことになる。何となれば、僕、ジャイアンの隣がネズミ男君だ。「いびきの合唱」には、努々、参加したくないものよ。







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