沈丁花。

2013年3月2日 日常
三月二日。晴天。風やや強し。寒くなった。天気が刻一刻と変化してい。「暑さ寒さも彼岸まで」と言うから、もう少し辛抱すれば、のどかな春が訪れるだろう。

部屋の窓を開けた。大きく成長した沈丁花のつぼみが、今や遅しと開花を待っている。良い香りがあたり一面に漂う。訪れる人達、皆が皆「香りがいいですね」と褒めてくれる。「バラにバラの花が咲く。何の不思議はなけれども」。そんな言葉もあるが、自然の営みは、やはり不思議に満ちている。驚嘆し、畏敬の念を禁じ得ない。愛情を注げば注ぐほど、彼らは決して期待を裏切らない。人間とはちと、出来が違うようだ。

沈丁花は、ばあさんが植えた。部屋の目隠しになるとの気遣いからだ。今やまさに、もってこいの目隠しを演じている。感謝、感謝である。そんな、ばあさんも90歳で亡くなった。心地よい香りが、すばらしい置き土産となった。

ばあさん健在の頃は、「早く水をやんさい」と、口すっぱく言われたものよ。沈丁花だけではなく、いろんな草花に水をやるのが僕の日課だった。その当時は「五月蠅い、ばあさんだぜ」と思っていたが、今にして思うと、草花を愛し、いつくしんできた気持ちが理解できる。

本来、僕には草花を育てる能力も趣味もない。せいぜい、昔から好きだった朝顔の種を植えるくらいが関の山だ。まあ、これも朝の清涼感を味わうことと、目隠しの為にやってきたことだ。

草花を愛でることも良いが、僕のお気に入りの仕事は、もっぱら雑草刈り。雑草の生命とて尊いものかもしれないが、放置しておけば、あばら屋の幽霊屋敷に早変わり。「これでは、あばかんでー」ということで、雑草刈りに専念するわけだ。もうそろそろ雑草君が、「早く刈ってえーー」と僕の登場を待っている。

世の中は ようしたものよ。汗だくだくで労働している僕の姿に同情してか?、なんと、ネズミ男君が「おいらも手伝うぜ」と言ってくれた。嬉しくて涙がちょちょ切れるぜ-。二人で作業をすれば数日で済む。

彼の行為に甘えたは良かったが、日当は五千円。田舎のネズミは、ちゃっかりしているぜ。要は、「その金で焼酎を一杯やろうぜ」と言うことらしい。彼の提案に、いささかの異論もなし。それも楽しみの一つだ。

なぜ、僕は雑草刈りが好きなのか?。美化はもちろんのこと、本命は運動の為である。ランボーみたいに、草刈り機械を振り回し、腰を回転させる。おかげで、腰回りが引き締まり細くなった。汗は老廃物を排出する。労働後の水やアルコールは気分を爽快にさせる。一石三鳥もいいとこだ。

ネズミ男君は、体重が数キロ減少し、ツイスト混じりのカラオケに拍車がかかるというものだ。今、「早く刈りたい」とおねだりされているが、まだ、時期尚早か。毎年の事だが、そろそろ僕の春作業が始まる。とは言うものの、仕事もせねば、おまんまの食い上げだ。






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