三月三十日。土曜日。快晴。外はうっすらと明るい。僕はまだ夢うつつの中にいた。午前六時に防犯ベルが鳴る。その音に気がつき、僕は2階の寝室に置いている木刀を携えて階下へ。電気をつけ、施錠してある数カ所の出入り口を確認。外部からの侵入はなかった。内部の施錠箇所を見ると、一カ所、数十㎝、扉が開いていた。昨夜、施錠することを忘れたに違いない。しかし、なぜ、一体誰が開けたのか?。

しばらく考え、思わず笑った事よ。犯人が分かったのだ。山の神がたいそうかわいがっている猫の仕業だ。猫はいつも階下の居間で寝ている。決まったように朝の六時頃になると、階段を上ってきて、「ニャーニャー」と泣くのだ。起こしに来たのだろう。目覚まし時計代わりになるので、山の神は重宝しているが、僕にとっては、はなはだ迷惑。放っておくと、あきらめたように、階下へ降りていく。

僕は犬は大好きだが、猫は好きではない。自分の都合のいい時のみに、猫なで声で、おねだりするからだ。犬ちゃんを見たまえ。じっと我慢の子で、ご主人様にこびへつらうことがない。僕が夜遅く帰ると、寂しかったのだろう。「クンクン」と泣いて、僕のほっぺをなめ回したものだ。愛しいこと限りなし。猫にはそんな芸当は出来まい。

とはいえ、猫もさるものひっかく者だ。部屋を移動しようと思ったのか、偶然、施錠のない部屋の扉を前足でスライドさせたのだ。いや、意識的だったかも知れない。僕が階下へ降りた時は、居間で何事もなかったかのように寝そべっていた。ちゃっかりしたものよ。山の神が階段を降りてくると、「パッ」と飛び起きて、「ニャーニャーー」といいながら足下へまとわりついた。「外へ出してくれ」という催促なのだろう。用を足したいのなら居間にもその道具が設置してあるのに。ドアを開くと駆け足で外へ飛び出した。僕に言わないで山の神に言う。こういう態度も猫が嫌いな一つの理由だ。猫も「わたしを、あまりかわいがってくれない人」と知っているようだ。

犬もそうかも知れないが、猫も人の言葉を聞き分ける能力があるようだ。また、泣き声の変化で、何を欲しているかを、飼い主に知らせることも出来るようだ。コミュニケーションとはたいしたものよ。猫騒動はこれくらいでいいか。

最近、気になっている事がある。きな臭い世界情勢もそうだが、今一つは何か不祥事があると、決まって「第三者機関」に判断を委ねることだ。「第三者機関」という言葉は今年の流行語大賞にノミネートしてもいいくらいだ。確かに、判断を利害関係のない人達に委ねることも必要かも知れないが、組織は自浄作用を徹底する能力がなければ、信頼されうる組織とは言えないだろう。第三者機関に任せるというのは、ある意味では責任逃れの姑息な手段と言えないでもない。

今、世界情勢がきな臭い。なぜ、人類は多額の資金を軍備費に投入するのか?。確かに、有史以来、人類の歴史は民族間の生存競争の歴史でもある。人間の遺伝子の中には、闘争本能が刻み込まれているのだろう。でなければ、人類がこれほど争うこともない。食料の確保と民族の生存、発展。どの民族も、このことが最大の目的である。かくして人類は高度な脳を持った生命体に進化した。今や、多額の金を使い、大量殺戮兵器、核爆弾を所有するようになった。大義名分は民族を守るためである。

地球上の覇者となった人類が忘れていることがある。「宇宙に終わりがあるか?地球に終わりがあるか?」という事である。答えは限りなく「イエス」に近い。人間だって、せいぜい100年も生きない。100年経つと、世界の人間はすべて入れ替わっているだろう。それでは悲しすぎる。神は救いの手をさしのべた。遺伝子の承継だ。脈々と遺伝子は後生に受け継がれていく。そのことは幸いである。

だが、しかし、ばっと、それも地球や、銀河や、宇宙が存在していればの話。遠い未来のことを考えても仕方がないと思うかも知れないが、いつ、何時、宇宙や銀河や地球に異変が起きるかも知れない。「もうすでにその兆候が始まっている」と言っている学者もいる。

要するに、先の事は「分からない」というのが真実だろう。しからば、軍事費等に資金を投入するのではなく、今を平和に生き、70億人の人類が皆、食えるように助け合うことが、人類最大の目的でなくてはいけないだろう。「武器よさらば」。最善の道はそこにしかない。



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