今日は久しぶりに青空が顔をだした。日中はまだ暑いが、秋の気配を感じる。午前午後と仕事を済ませ、先ほど帰還。なんだか今日は泣きたい気分である。泣くと言っても、悲しいから泣くわけではない。ただ、感慨に浸り、思いを馳せてみたいだけだ。

てなわけで、ネズミ男君へ「今宵はネズミ君の歌を聴いて泣いてみたいぜ」と言うと、彼は「やめてよーーー。金もないよ」と言いながら、まんざらでもない様子だ。かくして決定。

まずは、小料理屋「梓」の、ひろこさんの所で腹ごしらえだ。「あら、お二人さん、お久しぶりねえーー」と、ママは、にっこりにんまりするだろう。実は今月30日はネズミ男君の誕生日だ。そのことを、ひろこさんへ告げておくと、シャンペンか、もしくはワインのプレゼントに預かれる。それを期待しているわけだ。僕も一月前に誕生日を迎えたが、そのときはシャンペンだった。4~5人いたカウンター仲間から祝福を受け、なみなみと注がれた液体を、「ぐっ」と飲み干した経緯がある。歳は取りたくないが、祝いは、それなりに嬉しいものだ。


その後は、画家が経営するスナックへ赴き、点数制カラオケに興じることになるだろう。ここは、酒類の持ち込みがオッケーで、ボトルのキープはない。持ち込んだアルコールを飲み、時間無制限一本勝負である。出されたつまみ(スナック菓子)以外に何も注文しなければ、お一人様3000円。まあ、そんなものだろう。

だが、しかし、ばっと、カラオケ代が高い。一曲200円だ。僕とネズミ男君、さらにはカウンターのレディーたちが歌うと、あっという間に15曲位になる。もちろん、僕とネズミ男君が5曲以上は歌う。時々、ソフィアローレン風ママが、僕たちが歌う曲と同じ歌で挑戦してくる。これがなんと、いつも最高得点をだす。ママが言う台詞が憎らしいではないか。「私にゾロ目が出たら、記念品は、あなたたちにあげるわ」だって。不愉快だあーーと思えど、いまだに、ママの点数を追い越したことはない。

僕が今日、泣きたいと思ったのは、ネズミ男君のレパートリーのひとつ、中村雅俊さんの「ふれあい」を聞きたかったからだ。さらには、石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」。さらに、さらに言えば、「いちご白書をもう一度、神田川、時代遅れ、いっそセレナーデ、ジュリアーノ・ハートブレイク、サザンカの宿」などがある。ネズミ男君の歌には哀愁があり、僕の涙をさそうのだ。

かたや、この僕はどうか?。決まって、ネズミ男君が僕に所望する歌がある。山口百恵さんの「コスモス」である。彼は既に父・母・兄弟の一人を亡くしている。この歌を聴くと特に母親のことを思い出すのだろう。

それを知っている僕は、情感たっぷりに、「薄紅のコスモスが秋の日の、何気ない日だまりに揺れている。涙もろくなった母が・・・・」と、やり出すと、ネズミ男君が曲間に「かあーーーちゃん」と叫ぶのだ。「あんた、ふざけてんの」と言いたいが、これがいつものパターンだ。僕やカウンターレディー達は、いつも、ふき出しそうになる。曲が終わって、さあーーーーー点数は?。59点。「あんたが邪魔するからいけないんだよ」と僕は笑いながら怒る。いつも70点以上を出す彼は、「勝ったーー」と満面の笑みを浮かべる。

「うんんん、悔しい」と言うことで、僕もとっておきの秘密兵器を出す。柏原芳恵さんが歌う「春なのに」である。以前、66点のゾロ目を出した曲である。恐らく、今宵もその曲を歌うだろう。柳の下にドジョウはいないと思うが、昔取った杵柄。再び美酒に酔いしれてみたいものよ。他に、「白いブランコ、ある愛の歌、メリジェーン、名残雪、無縁坂」なども歌うが、なにせ、音程がめちゃめちゃ。力が入りすぎている。英語の発音は、まあーーーまあーーーだと思うんだが?。いかんせん、点数は正直だ。おっと、点数のことは、ここでは述べまい。

さあーー、今宵は久しぶりに泣いてくるか。ゾロ目賞も獲得したいものよ。誰もこの日記を読んでくれないと思うが、結果は後日したためよう。




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