例によって、すっかり慣れ親しんだ食堂へ4人で赴いた。いつものごとく、にっこりほほえんだ、ドアガール達の挨拶を受けた。気持ちが良い。「おデートでもしたいなあーー」という衝動に駆られたが、明日の朝食を最後に,このホテルともお別れだ。なんだか淋しい気がした。皆、同じ気持ちなのか、無言のまま食卓に着いた。その割には皆、大食いだ。何度も席を立ち、獲物を皿に盛ってくる。一抹の淋しさが食欲を倍増させているのか?。僕とて例外ではない。最後はコーヒーで締めくくった。

淡々と食事を済ませ、部屋に戻り荷物をまとめた。フロントへ降りた。既にマイクロバスは到着していた。素早くバスに乗り込み、後続のメンバー達を待った。いつもと変わらぬ乗車風景だ。我々を含め、老若男女、皆、疲れはなさそうだ。

今日が当地最後の観光となる。スケジュール表を見ると、まず最初に、有名な寺へ行くとのこと。寺ねえーー-?。ところで、こちらの宗教はなんだったっけ?。フランスの植民地だったから、キリスト教か?。そうそう教会を見たっけ。寺の門前に着いた。「福海寺」という名前がついた看板があった。「海」という漢字は僕ジャイアンのハンドルネームの一つだ。急に親しさを覚えた。そく、添乗員さんに宗派を聞いてみると、仏教と儒教が混合したような寺らしい。なるほどねえーー。

中に入り、仏殿の大鉢に長線香をたてて、合掌した。神仏は何であれやはり尊いもの。とりあえず旅の安全を祈願した。ぐるっと、一回りした。建屋から外へ出た。堀があった。のぞき込むと、なんと、無数の子亀が「ウジャウジャ」と泳いでいるではないか。上を見上げて、口をパクパクさせている。腹が空いているのか?。餌をやろうにも餌がない。鶴は千年、亀は万年。長生きの象徴として飼われているんだろうか?。そんな気がした。

ちと、敬虔な気持になった。それは良いことだが、いかんともしがたい自然現象が僕たちを襲った。「小」が僕たちを呼んだのだ。「小」の場所を尋ね、まず最初にネズミ男君が、急ぎ足で乗り込んだ。ほっとした顔で戻ってきた。次は僕、ジャイアンの番。ネズミ男君が出てきた所へ急いだ。「ありゃーー、なんにもないぜ」。よく見ると、足を乗せる形をした板切れが平行に置かれ、その真ん中に穴みたいな物があった。「ここへ落とせ」というわけか。いやああ、さすがにびっくり、こっくりだ。無料だったので幸いだ。

寺を後にした。次に案内されたのは、当地のスーパーマーケットだ。ここも観光スポットなのかと驚いた。結構大きなスーパーだ。ただし、日本のスーパーと、たいして変わったところはない。とりあえず見学だ。

ネズミ男君が、「おいらはTシャツを買いたいなあーー」と言う。独り身の彼は、日本で洋服等を買いに行くのが恥ずかしいらしい。「スナックのお姉様同伴で買いにいけばいいじゃん」と言ったことがあるが、それも出来ないネズミ君である。小心者だぜ。

僕、ジャイアンも着替えを何枚も持参していなかったので、彼に付き合って1枚、Tシャツを買うことにした。色とりどりのシャツがあった。と、そこで、目に留まったのが「真っ赤なTシャツ」。「これだぜ」と、僕ジャイアンが叫ぶと、ネズミ男君も「そうだなあーーー。日本で二人一緒に着ると、まさに義兄弟だぜ」と、大笑いしながら購入した。

僕ジャイアンがLサイズ。ネズミ男君がMサイズ。そこへ、のび太君が通りかかった。「あんたたち何しているの?」と、怪訝そうな顔をして聞いた。「ところで、一休さんは?」と尋ねると、のび太君も知らなかった。彼は、変わり者の風来坊だから、どこかその辺をうろついているのだろう。集合時間になれば、何事もなかったかのごとく現れるのが、いつものパターンだ。心配はいるまい。

そうそう、ベトナムはコーヒーが有名とのことで、銘柄は分からないが、適当にコーヒー袋を買ったっけ。スーパーマーケットでの買い物はこれでおしまいだ。







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