雨が天井のガラス窓を叩く。いやあ、本降りになった。こういう風景もたまには良い。僕たちは幸いレストランに陣取っていたので濡れずに済んだ。周囲ではたくさんの人達が食事をしていた。ほとんどが現地の人達のようだ。雨音を聞きながら思ったことよ。旅での行動は「何かを見たり買い物をしたり、はたまた何かを食べること」に尽きるってことを。僕たちとっちゃん坊や達は特に食べたり飲んだりすることに執着が強いようだ。まあ、それが一番楽しいからなあーー。

ところが、またもや言葉が分からない。とりあえずはビールだということで、ウエイターの青年にジェスチャー混じりで「ビール」と告げた。この言葉は万国共通か?。通じたようだ。さて次に、料理は何を注文するか、さっぱり分からない。隣のテーブルに出ていた料理を指さして、ウエイターの青年に合図を送った。どうも理解したようだ。

と、その時、一休さんが席を立って、どこかへ行った。しばらくして戻ってきたが、何かを注文してきたようだ。苦しいときの一休さん頼みか?。これに刺激を受けたジャイアンも、おもむろに、一休さんと同じ行動に出た。通路の一角で、かわいいい女性が鍋物みたいな物をこしらえていた。「これだぜ」と、ジャイアンは思わず5人分を注文したようだ。これを見ていた、日頃は紳士で温厚な、のび太君から、「あんた、そんなにたくさん頼んでどうすんの」と叱責をうけ、またネズミ男君からは、「あんたはいつも失敗が多いからなあーー」と、言われる始末。いやはや、まいったぜ。面目ない。

あっと驚く美しい女性が料理を運んできた。一休さんが頼んだ物のようだ。のび太君とネズミ男君は、料理そっちのけで、女性をカメラに収めた。こういうことには二人とも目がない。彼女はにっこり笑顔でカメラに収まった。僕ジャイアンは憤慨しながら、その様子を眺めるだけ。一休さんは知らぬ存ぜずで、料理をついばんでいた。

いやああ、なかなかの美味だ。それぞれ取り分を胃袋に放り込んだ。僕、ジャイアンがたのんだ物が来た。あったかい鍋の中にいろんな具が入っていた。ビールのつまみとしては、それほど悪くはなかった。皆もそう思ったようだ。名誉回挽回か?。ここでもビールを数杯おかわりして、現地での最後の昼食が終わった。

さあーーーー、精算だ。先ほどの美しい女性に、精算を頼んだ。程なくして計算書が届いた。まあここは五人で割り勘だ。各人から現地の通貨をもらいジャイアンが、まとめて支払った。きちんと割り切れなかったので、ジャイアンが少々、多めに出したか。釣り銭があるだろうと、しばらく待っていたが、一向に彼女が戻ってくる気配がない、わーーーい?、何故ーー?。うんんん、どうやら多めに払った分は、チップとしてとられたようだ。まああ、仕方がないか。それがこの国の習慣なんだろう。

僕たちは、ほろ酔い気分でレストランを出た。天気は気まぐれだ。すつかりやんでいた。さあーーーこれからどうする?。「もう一度、市場へ行って、ゆつくり土産でも買おう。それからまだ歩いていないところを散策しよう」と言うことになった。レストランを出ると、その近くに昨日行った中央郵便局や教会が見えた。とりあえずそこまで歩くことになった。




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