いよいよ旅も終焉を迎えた。今日、寝ると明日は故郷だ。嬉しくもあり、嬉しくもない。一体どっちなんだ。いわずもがな、その両方である。

おっと、感傷にに浸っている場合ではなかった。先を急ごう。僕たちとっちゃん坊や達と初老の紳士(いつのまにか紳士になった)の5名はタクシーをチャーターしてホテルまで戻った。外は相変わらずの雨。雨が降ってもバイクの往来は途切れることがない。まさに活気に満ち満ちた国である。

ホテルに戻った。とりあえず荷物の整理をして、それから夕食に行くことになった。昨夜のレストランの印象が良かったので、今宵もそこに決定。まずは、シャワーを浴びて、汗ばんだシャツを着替えた。なんと、ネズミ男君は外人さんからの抱擁がいたく心を揺さぶったみたいで、スターバックス絵柄入りの新しいシャツに着替えた。笑った事よ。

しばらく休憩して、のび太君と一休さんが待つ隣の部屋へ赴いた。扉を開くなり、異様な臭いが。バナナの腐ったような、いやいや、甘酸っぱい柑橘類の臭いが。「たまらんでえーーー」とはネズミ男君の弁。僕、ジャイアンも同感。

なんでも、先日買ったドリアンとブドウの食べ残しを冷蔵庫に入れているそうな。それにしても、この臭いは吐きそうになる。よくよく臭いをかいでみると、異臭は果物だけのせいではなさそうだ。どうも、部屋の清掃がなされていなし模様。

「あんたたち、ベッドメイキングは頼んだの?」と聞くと、「頼んでいない」という。「don’t enter the room. 」と言うことか?。それにしても、何日も汗臭いベッドに寝れたことよ。まあ、変わり者の二人だから、それも気にならないのだろう。

フロントに降りた。すでに初老の紳士が待機していた。ホテルを出ると、霧雨が降っていた。歩きながら昨夜のレストランを探した。以外と近かった。ボーイさんに案内された。昨夜のテーブルは既に先客がいた。我々は奥まった長テーブルに案内された。その真向かいのテーブルにも4~5人の先客が陣取っていた。

なにやら、大声でしゃべっている。現地語ではない。まあいいか?。気にせずにビールと料理を注文した。今宵はすんなりいった。「昨夜の美少女はいないかなあーー」と、あたりを見回したが、残念。柳の下にドジョウはいなかった。人のよさそうなボーイさんが、我々の接待役だった。しかたなかっぺ。

ビールで乾杯し、皆、感慨深げな表情をしていた。気にしていなかった向かい側の席の声が、やけにうるさい。老紳士がボーイさんに「静かにするように言って」と、注意を促したが、ボーイさんは、ただ、首を横に振るだけで、取り合ってくれない。初老の紳士がたまらず言った。「うるさいぞーーー」って、声をあらげて。

向かい側の席の連中は聞く耳を持たなかった。人の迷惑を顧みない輩も、たまにはいるものだ。我々もどこかで、そんな目で見られたことがあるかもしれない。羽目を外すのもほどほどにしなくちゃああーーーと反省、反省だ。

満足とまではいかなかったが、皆、出された料理を胃袋に放り込んだ。ビールで、少々酩酊。さ、後はホテルに戻って飲み直そうという事になった。




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