10月の声を聞いた。もう四日目だ。今日は午前中、仕事。秋晴れのたんぼ道を抜けて、町まで車を走らせた。意外と町中は静かだった。いったい人はどこにいるのだろう?。そうかあー。今日は日曜日。会社関係は休日だ。どおりで。自由業をしている僕にとっては、日曜日もない。毎日が仕事で、毎日が休みみたいなもの。因果な商売だぜ。

そうそう、我が町内では、今、男衆が稲の豊作を祈願し、氏神様に感謝する祭りの準備で大わらわだ。太鼓をたたき、笛を吹き、踊りながら、各家庭に回ってくる。幾ばくかのご祝儀とお酒等を差し出す。日本の伝統的な習慣だ、良いことは、なくしてはいけないだろう。

僕に取って祭りと言えば、小さかった頃の事が思い出される。僕は温泉町で生まれた。そこには温泉神社があって、年に一回、女相撲等が催されていた。出店が立ち並び、僕たちわんぱく坊主達は、綿飴等をほっぺたにくっつけ、なめまわしながら桟敷席に陣取り、おばさん達の相撲に見入ったことを思い出す。いやあああーーー、強いのなんのって。投げ飛ばされたら恐いぜ。それでも、滑稽な姿に笑い転げた。

はたまた、温泉町には芸者さん達がたくさんいた。秋祭りの時、三味線や太鼓をたたきながら、荷車みたいなのに乗って、町をうねり歩く。母が土産品店をやっていたので、僕は店番しながら、きれいな芸者さん達に見とれた。時折、僕の方に顔を向けると、「ぽーっ」と、ほほを赤らめたことよ。

今や、実家兼店舗は取り崩され、わずかな土地だけが残った。母も今年亡くなり、僕に取って、故郷はもうないに等しい。無性に悲しくなる。今後は、同窓会等で現地に赴くことしか出来ないだろう。まあ、これも宿命。要は現在住んでいるところが都であり、故郷なのだ。

ところで、最近、世の中では考えられない事件等が頻発している。因果関係があるかどうかわからないが、気象環境の変化は、人間の心までを大きく変えてしまったのか?。毎日報道される世界各地での災害状況。戦争や事件等による多数の人々の死。正直、情報過多に辟易だ。情報過多は人間の心をマンネリ化させる。「またかあーー」と思うだけで、自らに降りかからなければ、無関心だ。ひたすら自分を守ることしか考えなくなる。

世界を救う鍵。人間の心を救う鍵。それはなんだろう?。宗教でもなく金でもない。たった一言の言葉で言えば、「愛」ではないだろうか?。ちょっとした思いやりや愛があれば、傷つく人も少なくなり、気象環境だって変えることが出来るかもしれない。生きることに希望を見いだせるだろう。

「愛」とはなにか?。これが明確にわかれば苦労はしない。五欲にしばられない自由な心。生を尊ぶ心。慈しみの心。いろんな考えがあるだろう。まずはお天道様に向かってまっすぐ進み、純な心を忘れないで生きる事が寛容だろう。

のび太君、ネズミ男君よ。かかる気持ちで生きていこうぜ。これ以上の事は、わてにはわかりまっせん。













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