さて、旅のメンバーの最後は、この備忘録の執筆者、ジャイアンである。命名者は本人自身である。何故、ジャイアンなのか?。いくつかその要因を述べると、メンバーの中で一番小太り。態度がでかく意地悪である。特に、のび太君にはきつく当たるようだ。シズカちゃん争奪戦でいつも火花を散らしているからだ。

こう書くと、いかにも僕ジャイアンは悪ガキのように思えるが、実態はさにあらず。涙もろく小心者。皆とは仲良くコミニュケーションをとっている。サービス精神は誰よりも旺盛である。まあ、こんなところか?

ジャイアンの出で立ちは、黒のハットをハッとかぶり、黒のTシャツに黒のジャンパーを着ている。下半身は濃紺のジーパン。黒のスニーカーで決めている。だが、しかし、ばっと、いまいちだ。のび太君に言わせると、「あんた、暑いだろう。ジャンパーを脱いだら」と。確かに僕、ジャイアンもそう思ったが、「余計なお世話だぜ」と、北風と太陽ではないが、ジャンパーのボタン口を「グッ」と引き寄せた。自己紹介が長くなった。さあーーーー、本題、旅の顛末について語ろう。

旅の当日を迎えた、時はすでに午前0時を回った。悶々として眠れない。ネズミ男君が朝5時10分までに我が家へ来ることになっている。かつ、朝5時にのび太君より、「おーーーーい。起きているかい」のモーニングコールが来ることになっている。タクシーは5時20分に予約済みだ。

どうやら、うとうとしたようだ。「はっ」と驚き、時計に目をやると、午前4時半。「わおーーーーつ」と飛び起きた。危なかったぜ。急いで、階下に降り、洗面を済ませた。即、用意していた衣服に着替えた。カーテンをめくり外を眺めた。まだ外は真っ暗。駐車場に目をこらすと、なにやら黒い物体がたたずんでいた。「えええーーーつ」と、恐る恐る、その場へ近づくと、なんと、一台の車が駐車していた。中をのぞくと、あっと驚く為五郎だ。ネズミ男君が、車の中で丸くなって寝ていた。

「おい、おい」と声をかけると、「おいらは午前3時頃から、ここに来ていたよ」と言う。ネズミ男君の、人に迷惑をかけたくないというこの律儀さ、責任感の強さに乾杯だ。おっと、乾杯にははやすぎか。

二人して、門前でタクシーを待った。程なくヘッドライトを煌々と照らしながら、タクシーが到着だ。ぴたり5時20分。「さあーー出かけよう。君を乗せて」。何かの歌にあったなあーーー。そうそう、井上あずみさんの「君をのせて」という歌だ。僕のレパートリーの一つ。

おっと、そんな事を言っている場合ではない。今から、スネオ君を迎えに行かねばならない。スネオ君ちは、我が家からタクシーで5~6分の所。彼には5時45分頃、行くからとあらかじめ伝えておいたが、なんと、5時半に到着。家の電気は真っ暗で、何の音もしない。即、携帯をいれた。数回、呼び出し音が鳴って、彼曰く、「まだ5時半じゃない。約束は45分じゃなかったっけ」と言う。「ごめん、ごめん」と謝りを言い、待つこと5~6分。

彼は、慌てて出てきたらしく、荷物ゼロ。体一つだ。「あんたバッグは?」と、ネズミ男君が聞く。「わしにはそんなものいらない」と、スネオ君は平然と応える。足下を見ると、履き物はサンダルというか草履だ。「あはははーーーー」と、僕とネズミ男君は苦笑した。すねているわけではなかろうが、彼らしいぜ。

彼を乗せて、僕たちは最後の一人、のび太君宅へ向かった。あらかじめ何時頃家の近くに到着する旨を伝えておいた。彼は背中にリュックサックを背負い、真っ白なウエアー着た秋の幽霊のごとく姿で、信号機の近くに突っ立っていた。

さあーーー、四人そろったところで、タクシーは一路、最寄りの駅を目指した。












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