ホテルの部屋に着いた。すでに布団が4枚敷かれていた。さあーーー、問題はこれからだ。場所の争奪戦が始まった。僕ジャイアンは、迷惑をかけないように、一番奥の端っこを選択。残りの三つは、のび太君、ネズミ男君、スネオ君の三人でじゃんけんで場所を決めた。

じゃんけんにはめっぽう強いのび太君が一番勝ち。二番勝ちはネズミ男君。最後はスネオ君だった。てなわけで、ジャイアンより一番遠い端っこに、のび太君、その横にネズミ男君、僕、ジャイアンの横に、スネオ君が寝ることになった。一件落着。要は人より先に寝ることだ。なかなかこれが出来ないんだよなあーー。枕が変わると、寝返りばかり打って、目がさえてくる。結果は翌朝の楽しみだ。

もう風呂に入る時間がなかった。食事の支度が出来ているとのこと。とっちゃん坊や達は、ホテルの浴衣に着替えをせず、そのままの姿で会場に赴くことにした。「そうそう、ここで、ハプニングを演じよう」と、ジャイアンが提案した。ジャイアンが密かに持参していた各種の鼻ひげ。「それぞれ、これを付けて食事会場に赴こうぜ」という事になった。

スネオ君はアフロヘアをずっと、かぶってきたが、頭がかゆくなったと、かぶることを放棄。「じゃあ、僕ジャイアンがかぶろう」と頭に乗せた。各人、気に入った鼻ひげを着けて会場へ乱入。じっちゃん、ばっちゃんたちは、あっけにとられて呆然。しばらくして、奇妙な笑いが渦巻いた。きっと、「馬鹿な連中だぜ。」とでも思ったのかもしれない。

一番喜んで、腹を抱えて笑ったのは、このホテルの賄いさんというか、仲居さんというか、人なっこい顔をした中年のお姉さんだ。テーブルの側から離れず、あれこれとサービスも過剰。「それじゃあーーーー、お礼に」と言うことで、余分に持ってきていた鼻ひげを彼女の鼻の下に、「ペタン」とくっつけてやった。

何を思ったのか、彼女は、志村けんさんがやる踊り、足踏みしながら、両手を下げたり、あげたりする動作をして、ツアー客達を喜ばせた。これには、トッちゃん坊や達も脱帽だ。

食事はバイキングではなく一人一人にお膳が出されていた。まず生ビールで乾杯をして、お膳をすっかり平らげた。おいしい食事だった。もちろん、「かつおのたたき」が食卓に出たことは言うまでもない。ひとしきり、食事を終え、「さあーーーー、今から何をしようか?」と、言おうとしたとき、ネズミ男君が「カラオケに行こうや」と言う。

ジャイアンが、さきほどの鼻ひげ(これは彼女に差し上げた)のお姉さんに、カラオケ店の有無と所在を訪ねると、案内してくれるという。とりあえず、部屋に戻り、約束の時間に一階のフロントへ降りた。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

この日記について

日記内を検索