とっちゃん坊や達の旅(17)坊ちゃんの湯は熱かったぜ。
2015年11月6日 日常のび太君とジャイアンは坂を下り、町中へやってきた。町の中心には道後温泉の本館がある。別名を「坊ちゃんの湯」と言うらしい。残念ながら「とっちゃんの湯」ではなかった。
のび太君は本館建物をしきりにカメラに収めていた。この建物は歴史的にも価値のある建築物で、國の重要文化財になっているよし。僕ジャイアンも負けじとカメラを向けたが、なにせ、安物のカメラ。出来映えに期待が持てそうにないが、仕方がない。
撮影が終わり、「さあ、一風呂浴びるか」と言うことで、本館の中に入った。いくつかのコースがあったようだが、一番安いチケットを購入。タオルはどうしたんだったか忘れた。たぶん借りたのだろう。脱衣場で裸になり、小さな一物をタオルで覆い、浴槽へ向かった。
古めかしい変な浴槽だった。仁王様のような像が有り、そこから湯が流れ出ていた。タオルは浴槽につけてはだめなので、頭に乗せた。恐る恐る湯船に体を落としたが、えええっ、深いのなんのって。湯船の底に尻を落として座ろうと、腰を落としたが、そうすると、胴長のジャイアンの顔まで、湯に浸かってしまう。「何で?、わーーーい?、どうしてこんなに深いの」と、不思議に思った。
その疑問は翌日、ガイドさんの説明により解決した。要するに、尻まで落として湯船に浸かると客が長湯するので、わざと、深くして客の回転率を上げようという魂胆だ。湯の底に尻が座れないように深くしてあるとのこと。ちなみに深さは70センチはあるようだ。
「営利のためか?せこいぜ」と思ったが、どうすることも、あい。きゃん、のっと。カラスの行水で、ジャイアンは湯船から脱出。ボディーシャンプーで体を洗い、這々の体で脱衣場へ逆戻り。紳士、のび太君は、かなりゆっくりだ。彼が言った。「あんた、上がるのが、えらい早いね」って。僕は言ってやった。「僕の体は猫舌ですから」と。
湯から上がり、2階にあるという「坊ちゃんの部屋」を見学した。階段が垂直に近いほど急だった。手すりにつかまりながら恐る恐る上がった。祖谷のかずら橋より恐いぜ。三畳か、四畳半程度の部屋に、夏目漱石をはじめ、知らない人達の顔写真が壁に掛けられていた。のび太君がカメラに収めたことは言うまでもない。「なるほどねえーー、夏目漱石はいい男だ」。これが僕、ジャイアンの印象だ。
ひとしきり、見学して階段を下った。おっと、その前に2階の手すりから、外の景色を眺めると、本館のすぐ近くに提灯がさげられた居酒屋風の店が目にはいった。のび太君が、「あそこに行っててみよう」と言う。僕ジャイアンに異論なし。
店舗の中は、客で混んでいた。メニューが運ばれた。僕達はちょっくら喉が渇いていたので、ビールが飲みたかった。メニューに「坊ちゃんビール」というのがあった。地ビールのようだ。即注文。つまみは枝豆だ。いやあーーーー、このビールのおいしかったこと。二人とも、おかわりをして、2杯ずつ飲みあげた。
いい気分になった。もう、二人ともかなり疲れが出ていた。時計も9時半をまわっていた。結局、そろり、そろりと帰省することに。ホテルの部屋では、ネズミ男君とスネオ君が、布団に大の字になって寝ていた。といっても、熟睡していたわけではない。いかにも、不機嫌そうな顔をして、僕らに目を向けた。「何か、土産でも」と期待していたのだろうか。なんにもなし。娑婆世界は厳しいんだぜ。
まあ、そんな具合で、道後の夜は、とりとめたハプニングもなく更けたのでありました。
のび太君は本館建物をしきりにカメラに収めていた。この建物は歴史的にも価値のある建築物で、國の重要文化財になっているよし。僕ジャイアンも負けじとカメラを向けたが、なにせ、安物のカメラ。出来映えに期待が持てそうにないが、仕方がない。
撮影が終わり、「さあ、一風呂浴びるか」と言うことで、本館の中に入った。いくつかのコースがあったようだが、一番安いチケットを購入。タオルはどうしたんだったか忘れた。たぶん借りたのだろう。脱衣場で裸になり、小さな一物をタオルで覆い、浴槽へ向かった。
古めかしい変な浴槽だった。仁王様のような像が有り、そこから湯が流れ出ていた。タオルは浴槽につけてはだめなので、頭に乗せた。恐る恐る湯船に体を落としたが、えええっ、深いのなんのって。湯船の底に尻を落として座ろうと、腰を落としたが、そうすると、胴長のジャイアンの顔まで、湯に浸かってしまう。「何で?、わーーーい?、どうしてこんなに深いの」と、不思議に思った。
その疑問は翌日、ガイドさんの説明により解決した。要するに、尻まで落として湯船に浸かると客が長湯するので、わざと、深くして客の回転率を上げようという魂胆だ。湯の底に尻が座れないように深くしてあるとのこと。ちなみに深さは70センチはあるようだ。
「営利のためか?せこいぜ」と思ったが、どうすることも、あい。きゃん、のっと。カラスの行水で、ジャイアンは湯船から脱出。ボディーシャンプーで体を洗い、這々の体で脱衣場へ逆戻り。紳士、のび太君は、かなりゆっくりだ。彼が言った。「あんた、上がるのが、えらい早いね」って。僕は言ってやった。「僕の体は猫舌ですから」と。
湯から上がり、2階にあるという「坊ちゃんの部屋」を見学した。階段が垂直に近いほど急だった。手すりにつかまりながら恐る恐る上がった。祖谷のかずら橋より恐いぜ。三畳か、四畳半程度の部屋に、夏目漱石をはじめ、知らない人達の顔写真が壁に掛けられていた。のび太君がカメラに収めたことは言うまでもない。「なるほどねえーー、夏目漱石はいい男だ」。これが僕、ジャイアンの印象だ。
ひとしきり、見学して階段を下った。おっと、その前に2階の手すりから、外の景色を眺めると、本館のすぐ近くに提灯がさげられた居酒屋風の店が目にはいった。のび太君が、「あそこに行っててみよう」と言う。僕ジャイアンに異論なし。
店舗の中は、客で混んでいた。メニューが運ばれた。僕達はちょっくら喉が渇いていたので、ビールが飲みたかった。メニューに「坊ちゃんビール」というのがあった。地ビールのようだ。即注文。つまみは枝豆だ。いやあーーーー、このビールのおいしかったこと。二人とも、おかわりをして、2杯ずつ飲みあげた。
いい気分になった。もう、二人ともかなり疲れが出ていた。時計も9時半をまわっていた。結局、そろり、そろりと帰省することに。ホテルの部屋では、ネズミ男君とスネオ君が、布団に大の字になって寝ていた。といっても、熟睡していたわけではない。いかにも、不機嫌そうな顔をして、僕らに目を向けた。「何か、土産でも」と期待していたのだろうか。なんにもなし。娑婆世界は厳しいんだぜ。
まあ、そんな具合で、道後の夜は、とりとめたハプニングもなく更けたのでありました。
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