昨夜は久しぶりに映画を見た。「犬神家の一族」。横溝正史原作、監督は市川崑さんだ。昔、一度見たことがあり、再び見直してみたが面白かった。内容は殺人がらみの遺産争いだ。それを名探偵、金田一耕助(石坂浩二主演)が解決する。

僕ジャイアンは、中学生の頃から探偵にあこがれていた。明智小五郎や外国では言わずと知れたシャーロックホームズである。そのせいで、友達に出す年賀状には、僕のネームを「小五郎」と明記して出したものだ。友達の一人を「中五郎」と命名した。いまだに賀状等には「小五郎より中五郎殿」へと書いて出している。相手も、その気になっているから面白い。だが、さすがに大五郎はいない。「シトシトピッチャン、シトピッチャン。子ずれ狼」を思い出すからだ。

まあ、とにもかくも、大富豪、犬神家で起こった遺産相続争いは、人間の皮を被った悪魔達の壮絶なる戦いだ。そりゃあーー、人間誰だって不労所得が転がり込むなら、おいしくいただきたいと思うのは常である。ただ、不正の手段を用いて、利を得ようとするのは、いかがなものか?。そこで、事件がおこり、探偵の謎解きが始まるわけだ。

ドラマや映画で演じられていることは、架空の出来事ではない。現実の社会でも遺産相続についての、もめ事は多いと聞く。要は相続人が平等に分割すれば問題はないのだろうが、現実には、そう行かないことも多い。遺言書等による被相続人の意志も、尊重しなくてはならない。従って均等に分割できるとは限らない。話し合いで丸く収まれば良いのだが、人間の欲には際限がない。

一番いいのは、葬儀費用以外に相続財産を何も持たないことだろう。ネズミ男君が、いつもそう言っている。「おいらは一人身だし、土地、建物は姪にやることに決めている。あとは葬儀費用を幾ばくか残しとくだけ。それ以外は使い切って行こうぜ」って。同感だあーーーー。

そこで、僕ジャイアンアは、いつも言っている。「なあ、ネズミちゃんよ。あんたが持っているドラム缶貯金箱はどうすんだべえーー?。良かったら、おいら達が晩年になったら、二人で貯金箱を背中に担いで旅にでようや」って。ネズミ男君は「にやにや」笑いながら、まんざらでもない様子だ。

ネズミ男君はたばこを止めてから、小銭を種類ごとにドラム缶に放り込んできた。それがいまや、相当に貯まっているよし。抱えるのも一苦労だ。まあ、二人で背中にからえば、なんとかなるだろう。旅で、ちょこちょこ使いながら全国を行脚する。これがおいら達の夢である。先にどちらかが行き倒れば、残った金で葬ってやる。

こういう旅をしながら人生を終わるのも粋だぜ。


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