花屋敷を出て、ちょっと歩くと、今度は木々で囲まれたドーム状の長いトンネルがあった。もちろん、そこを歩いた。いやああ、散歩にはもってこいだぜ。涼しい風が吹き抜けた。トンネルをくぐり、ちょっと歩くと、だだっぴろい場所にでた。おやおや、一回りしたぜ。

バスの停車場にきた。程なくバスが到着。僕たちはまだ、花の余韻に浸りながら、バスに乗り込んだ。午後3時近くになっていた。「そそろそろ帰宅準備にかかるか」と、のび太君が言う。てなわけで、バスの始発場所まで戻ることになった。

おっと、そうそう、他に見学したところもあったっけ。鏡屋敷だ。一面鏡張りで、中に入ると、どちらへ進んだらいいのか分からなくなる。鏡に頭をぶつけながら進んだ。こんな時はいつも、「のび太君頼み」だ。のび太君を先頭に、のそりのそりと進んだ。「うんんん、今ひとつだなあーー」とは、僕ジャイアンの弁。

ハウステンボスは1日では見て回れない。そんなに広いのだ。夜には夜の催し物がある。夜景もきれいだそうな。僕たち、とっちゃん坊や達には、そんな余裕はない。明日の現実が待っている。

とりあえず、バスの始発場所までたどり着いた。バスを降りて、ちょっくら、コーヒーでも飲もうと言うことになった。喫茶店らしき所に入ると、ここでも、機械がコーヒーを作っていた。便利になったことよ。でも、僕は人が作ったコーヒーが好きである。あったかみがあるし、会話もある。機械はしゃべらない。機械が機械的にいれたコーヒーなんて、「いやだあーーー」と思ったが、しかたなかっぺ。

コーヒーを飲み上げて、出口へ向かった。さらばハウステンボスよ。今度いつ来るか分からない。「銀河鉄道999」のメーテルと分かれるような一抹の寂しさを感じた。

車に乗り込み、一路帰宅へ。短い旅であったが、楽しい旅だった。「また、いこうや」と、約束を交わしたが、頭の中は、「ああつ、明日という現実がやって来るんだ」という思いで一杯だった。(完)





コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

この日記について

日記内を検索